詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][得票][編集] |
酸いも甘いも知ってまだ
地に足をつけてないから
十代の子の弾き語る
青い唄を聞いて
浮き立つ心と地蔵の体
鏡を見ろよ
お前はケツの青い
皺くちゃの赤ちゃん
若さはない幼さは
実社会から爪弾きにされ
と言うか逃げるように
閉じ籠もった六畳間で
自分探し
みんなやさしいからね
疲れたなら休んでいいよ
って言う
苦しまないで無理をしないで
わたしは心身衰弱
最初は本当だったんだろう
救いの言葉を鵜呑みにして
いつまで休むつもりだ?
少し歩いただけで
呼吸が乱れる
ダメだ
鬱で死にたくなる
そりゃそうだ
ずっと寝たきりだったんだから
重い重い腰を上げて
錆びた手足を動かせば
軋む心臓に痛みも伴うよな
足の裏から伝わる衝撃が
怠惰な我が身を疾走し
ぼんやりする頭を揺らす
何もしなくても湧いてくる
これらを形にして
藍より青い唄より青い
それらを世に出したい
十代の子にも
寝たきりの誰かにも
見せたいものがあるんだ
書き出しは違えど
行き着く先はいつも同じ
わかってるんだろ
救いの言葉はまやかしだ
他人の優しさを都合よく言い訳に使うな
よくあるあるあるあるあるクソッタレの半生
だけど歴史には微塵も残らない人生を歩んでいるのがお前
何も残せずに終わるごく普通の人の生
どうせそう
それでも
いつか斃る日まで
踠いて足掻いて虚しくなって
特別な才能はないと気付いても
誰にも必要とされず
誰にも見向きされなくても
この行為に何の意味もなくても
別にやらなくてもいいんだよ?
いつまでも休んでいてもいいんだよ?
それでもやるしかないんだ
死ぬまで苦しみ続けても
やることをやるしかないんだよ
それ以外に答えは無いから
お前がお前自身を納得させるには
それしか無いから
特別な才能がなくても衝動がある
運がなくても湧き続ける着想がある
頭の中にあるそれを
それらを形にする
表現する
創作する
発表する
それを続ける
死ぬまでやり続ける
無駄じゃない
なんて言わない
無駄だよ
今すぐ死んだ方がいいかもしれない
それでも気付いてるんだろ?
他に選択肢はないと
唯一無二の無為を
無為のまま無にするな
やれ
やるしかない
やれ
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