詩人:咲麻 | [投票][編集] |
ずるずる、と
ずるずる。と
渡せず終いの
小さな箱
不器用で
折り目の付いたくしゃくしゃなラッピング
傾いたリボン
いざとなると
勇気が出ない
箱を持つ手は
緊張で汗ばんで
熱を放つ
しっかりと両手に包まれた箱は
放たれた熱で
溶けていく
こんなのもう渡せない。
言い訳作って
ゴミ箱へと放り投げる
いつまでたっても変わらない
君との距離
君との関係
もう一度拾い
そっと冷蔵庫にしまう
気持ちだけが先走る
行動が追い付けない
まだ間に合うかな
後出しだ。って
あなたは笑い
受け取ってくれますか?
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戻れない道なら
進んで行こう
進む事に疲れたら
立ち止まればいい
消したい過去なんて
思い出話にも出来ない
それならばいっそ
捨ててしまえいい
諦める事が許されないなら
夢見る事すらきっと許されなくなってしまうから
限界までなんて走れない
限界なんてないから
思うがままに
歩いて行こうと決めたんだ
人生に正解の答なんてないって
誰かが歌っていたように
不正解の答だってないはずだから
大丈夫
大丈夫です
ふらふら歩くの好きなんです
辿り着いた場所が
目的地になるんです
今はきっと
それでいいんだって
そう誰も歌わなくても
自分でその唄を歌います
作ります
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身につけていたものを全部脱ぎ捨てて
温かな雨に打たれよう
短く切ったばかりの髪から
ぽたぽたと冷えたしずくが滴り落ちる
洗い立ての下着を身に着けて
薄手のワンピースを一枚
まだ春は少し遠くて
火照った体にその風は心地良い
溜めていた映画
格好いいだけの主人公が泣いている
果汁100%のミックスジュースを飲みながら
煙草をくわえ火をつける
その煙が目にしみて
ほんの少し、泣けた
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自分に自信なんてなくて
不安ばっかりで
それなのに…
「私は貴方の背中を追っています」
なんて
それが冗談でも
お世辞だとしても
ただすごく嬉しくて
気がつけば泣いてた
人目が気になって
背中丸めて歩いてた自分
それが酷く格好悪く思えたから
背筋伸ばして歩くよ
無理しない
自然なスピードで
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意味なんて、なくていい。
色づいた、
指先も。
唇も。
届かない、
言葉も。
メロディーも。
伝わらなくていい。
この気持ちに、
嘘さえなければ、
それでいい。
意味なんてなくていい。
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捨ててしまったら楽になった
大切に大切に抱き抱えていたもの
全部抱えていた
落とさないように
無くさないように
全てが大切に思えて
この腕に抱き締めていた
前も見えず
踏み外して落っこちた
全てを放り投げ
懸命に守ったものは自分
本当に大切なものなんかわからなくて
全部が大切に思えていた
大切なのは自分
守るべきは自分
自分さえ守れなきゃ
本当の大切なものなんて守れないから
強くなろう
強さなんて、わからないけど
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放課後
何もないのに集まる
くだらない事ばかりを話す
『いい加減帰りなさい』
先生に怒られて
笑いながら帰る
そんな日常
当たり前の日常
だけどもう
遠い日常
出会う事のない
そんな日常
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眠っている君に頬に
そっとキスをした
涙が溢れて止まらないのは
悲しいからでも
幸せだからでも、ない
君が居て
その隣に私が居て
ただ涙が止まらない
それだけの事実
意味も
理由も
希望も
絶望も
何も、ない