ホーム > 詩人の部屋 > 亜子の部屋 > 氷菓子

亜子の部屋


[13] 氷菓子
詩人:亜子 [投票][得票][編集]

西日をのみこんだ
2LDKの亜熱帯

そこにふりつもる
白い氷菓子

空色のかき氷器にあなたは
不透明な雲の塊をつめて

安物のそれへ
咀嚼するための
力を与えては

猛暑にすりへった
知覚過敏な
精神的な部分を
あてがうように

白いものをふらしてく

きんとしみて
現実がしびれるこの瞬間が
私にはなにより心地いい

ホントにスキだね
あなたは呆れるけど

2LDKの亜熱帯
そのようなあなたの氷菓子

それこそに私は
やっと帰りついたから


2006/07/21 (Fri)

前頁] [亜子の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -