ホーム > 詩人の部屋 > 亜子の部屋 > ティータイム

亜子の部屋


[22] ティータイム
詩人:亜子 [投票][得票][編集]

つかみどころも味けもない向こうもすける薄皮の
日々というパイ生地と
バニラビーンズ抱いた甘く狂うカスタードの
ていねいにつみ重ねた
ミルフィーユ

追憶の銀色フォークつきたて
さくりと嘆く記憶を聞く

胸もやけるそれは
てっぺんに落とされた苺の
赤く酸っぱいうらぎりと
アッサムの香りおびた
木の葉時雨の午後

冷静な味わいとなり
飲み込んだその時

このものにとらわれていた時間は過ぎたのだと知り
哀しいほど前向きな
私を知ったのです

2006/10/24 (Tue)

前頁] [亜子の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -