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亜子の部屋


[21] 秋 暮れて
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秋 暮れて
ものさみしげに
ぶらさがった君は
柿の実の横顔
鳥のくちばしから
身をくねらせて
色づいたのに
枯れ枝を揺れるままに

君の望む手じゃないけれど
もいでもいいか
橙の頬におりた霜を
ぬぐってもいいか

指でつぶせるほど
あきらめに熟れた君が
いちょうの葉と画策して
飛び降りる
その前に

金色の外套は
いつかの西の空
名残おしい君の横顔
あかぎれのこの手が
ひっかくとしても

もいでもいいか
連れていってもいいか
眺めている僕の足元で
まろび行く木の葉が
冷たい人と
言う前に


2006/09/18 (Mon)

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