赤とんぼのとまどいを人差し指でごまかして羽根をつかめば君はここにいるぼくのわがままの底へおちていく君の凛々しき探求への挑戦は夕日の朱寂しくて仕方がないぼくの頬を染めるもの愛しく暖かいと想う明日もまた見たいと想うほんの少しの哀しみが宇宙にたどり着く前にこんな色を見せるのなら白波の空にのせて言伝てて赤とんぼの舞う道をはいあがりたいまつ毛の先の灯をたよりに幻の星座を見つけて指さして笑いあえる君とぼくは真正面で出会った重力を知っている
[前頁] [亜子の部屋] [次頁]