結い上げた髪
おくれ毛を撫でる
優しい風

立ち止まり
目を閉じて
貴方を思い出す

あれは遠い
記憶の欠片

私の髪を撫で
過ぎ去った優しい人



この風のように――

君を失えば
僕は泣くだろう

きっと
声をあげて
泣くだろう

失いたくないなら
どうすれば
良いかを
知っているのに
まだそれが出来ない


今、
君が泣いている―

空は蒼

なのに
心は晴れない

きっと
君を手放したく
ないから

それは
愛じゃなくて
傲慢


空は蒼

翼を広げて
君が飛び立つ

嗚呼―
知らなかった

君が
羽ばたいている
空は
こんなにも美しい

『幸せ』って

何？



答えは

自分だけが

知っている―

歩いていけば
きっと見えるよ

空の蒼さや
人々の笑顔

急いていたね
前しか見えず
知らない内に
誰かを
傷付けていたんだ

立ち止まれば
きっと気付くよ

風の優しさや
大切な人の涙に―

真実だけを

映したいのに

涙が

隠してしまう



この涙が

私の真実―

触れてよ

指先で

唇で


こんなにも

愛に飢えている


近くにいるのに

遠い貴方―

命の焔が

全てを燃やし

灰は

風に散っていく


跡は残らない


愛の最後は

そんな風がいい―


(最愛の貴方へ)

貴方のために
作ったのは
ほんの少し辛い
カレーライス

ナスと挽き肉
それからトマト

隠し味は
チョコレート

ううん
ふたり一緒に
食べること

「美味しい」は
おかわりで
「ご馳走さま」は
くちづけで―

行ってらっしゃい
は
いつもメール
で

お疲れ様
も
いつもメール
で

はやく一緒
に
暮らしたい
な

お帰りなさい
を
言いたい
な

あ、
いつでもキス
は
約束だから
ね