詩人:リリ | [投票][編集] |
仕事帰りの朝
誰も踏んでいない
積もった雪は
昨夜の寒さの余韻
膝まで
埋もれながら
我が家への階段を
目指す
これから仕事へと
向かうはずの
ここの住人達は
夢の中―
ならば道を
作りましょう
魔法のように
不細工な道を
見て
誰とも知らずに
歩いていく
真白な雪のように
眩しい笑顔で
良い1日を
そして
雪まみれの
ジーンズは
ストーブの前に―
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唇だけが
君を感じて
唇だけが
さよならに
気付いていた
ふたりは
微妙な距離が
不安に変わって
いつしか
手を
離していたんだ
子供だったね、と
笑うには少し
苦い思い出
何度も恋をして
誰かと
くちづけても
忘れられない君
今でも時々
逢いたくなるのは
唇に残った
君が優しいから―
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知らなかったよ
雪の世界が
こんなにも
真白で
眩しいなんて
アナタに
逢わなければ
ここに
来なければ
一生
知らなかった
そうしてアナタは
また
私に宝物を
与えてくれる
いちばんの宝物は
アナタだけどね―
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産声をあげて
思い出を
育んだ場所から
離れたのは
たったひとつの
愛を手に
入れたかったから
想像の中の
白い世界が
現実へと変わって
いつか
当たり前に
なっても
初雪の想い
貴方への愛
真白なままでと
今は
願うだけ
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今も在るよ―
小さな
小さな欠片
貴方がくれた
言葉
心の真ん中で
キラキラ輝いてる
月日は確実に
あの日を
遠ざけるけど
この欠片は
どんなに
小さくなっても
けして消えない
貴方への想いと
共に―