詩人:猫の影 | [投票][編集] |
余計なことも
逃げたいことも
投げ出したことや
目を閉じたことも
どうしたって私のものだから
仕方ないよね
仕方ないなら楽しんじゃうしか、ないよね
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ずっと花をつけないものだから
もう諦めていた
今年の夏咲いたその花は
赤く強く美しかった
きっと 大丈夫だよ
君は庭を眺めたまま呟いた
コップの中の氷の音が
カランと響く 夏の午後だ
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闇の向こう
庭の方かはわからぬが
りーりーりーと鳴いている
部屋の中かもわからぬが
りーりーりーと哭いている
どこにいるやらわからぬが
りーりーりーと闇の蟲
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炎天下 君の後を追った
鳴り響く太鼓の音、祭囃子
どこかで割れる水風船
子供が泣く声 母を呼ぶ
炎天下 君の痕を追う
間に合わなくてもいいと思う
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世界をまるっと殺してしまえたら、なんて
結構ずっと思っている
その後に残るものがあるとしたら
きっとそれって「ほんとう」なんじゃないのかとか
思ったり
殺せるものは限られていて
どうしても離れ難いものがある
それでもまず、殺すことかははじめなくちゃ
はじめることから、殺さなくちゃ
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どうにかなってしまう
君のことをよく知りもしないのに
どうにかなってしまう
好きという言葉からさんざっぱら逃げてきたのに
声色も
笑顔も
話した内容も
全部わからなくなっているのに
日増しに君の存在が
この胸のうち、大きくなるのだ
君のこと、なにも知りはしないのに
好きになる、根拠のひとつもないのに
どうにかなってしまった
どうにかなってしまった
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重みのない言葉ばかりつぶやいて
君の頬をなぞるんだ
届かないような気がして不安になって
ぎゅっと強く抱きしめる
何度も何度も泣きそうになる
君がここにいることに
何度も何度もキスをした
確かめるように
確かめるように