詩人:猫の影 | [投票][編集] |
君の笑顔はどうやら僕の体に良くはない
見るたび息が切れ
見るたびに体温が上昇する
まっさかさま頭から
君の笑顔にたたきつけられて
理性の抑制などとうに見失った
見るたび体温は上昇し
見るたび息が切れるのさ
どうやら君の笑顔は僕の体に良くはない
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あぁ 僕の視力の低下につれて
僕の世界はぼやけていく
子供のころにははっきり見えたであろうあの世界を
今はレンズを通してでしか見ることはできない
あぁ僕は年をとるにつれ
この滲んだ世界すらも見えなくなるのだろう
小さな真実など到底見えなくなるのだろう
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何かになりたかった子どものころの
未来の自分はどんなだったろう
もう忘れてしまった
気付かぬ間に僕の背中の白い翼は
汚れた空で黒ずんだ
夢や希望
そんな星の色した言葉の意味も
もう忘れてしまった
覚えているのは
昨日の月の形だけ
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やっぱり僕はいつまでも
君を夜空に夢に見て
乞いの涙を流してる
百年待てば君の気持ちは変わるだろうか
千年待てば君の気持ちは変わるだろうか
君が僕の瞳を見てくれる
そんなときがくるのなら
何万年だって待ってやる
僕は何万年だって愛してる
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拙者サムライである前に
人であります
世間では
サムライは強くあれといはれますけれども
強くあることは常に恐ろしく危うく
拙者はもう疲れ申した
世間では
拙者のやうなサムライは
生きているのが恥だ 切腹せよと
いわれますけれども
拙者は人間でありますがゆゑに
死といふものがたいそう恐ろしく
己が腹に刃を突き刺すなどといふことは
到底できませぬ
拙者、サムライである前に
人間であります
ゆゑに拙者は人間らしく
弱く優しく危うく、生きてひきたく
思うのであります
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「テキトーなお付き合い」だから
逢いたいんだって素直にいえない
君と居たいんだなんてとてもいえない
「テキトーなお付き合い」だったはずなのに
僕は「テキトー」じゃなくなってきてる
君に本気になり始めてる
なっちゃいけない
辛いだけだろう
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僕はきっと
自分から
「奈落」に落ちる癖がある
僕はきっと
もとからそう
「奈落」の人間なのかもしれない
だからこんなにも
汚く、醜く、臭く、
冷酷で、残忍で、獰猛なのだらう
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錆びた僕の銅像に
また錆が増える
理性の塗料は
本能の雨水に
いとも簡単にはがされていく
抑えきれない衝動
殺しきれない「自我」
また現れた
冷酷で
醜い
ぼ…く…