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猫の影の部屋


[498] Lyke.
詩人:猫の影 [投票][編集]


遠く、遠くへ
去るだろう
届かない、彼岸へ

ちぎれそうなほど
無垢で
押し潰されそうな
残虐性

波が全てを飲み込む
その感覚だ
目をつぶってしまっても
変えられはしない
敵いはしない


速く、速くに
去るだろう
性もない、彼岸に

コトキレかねぬ程の
狂気
蝕まれそうな
その知性

微細な粉末に支配される
その感覚だ
目をつぶったところで
抗えはしない
適いはしない


一条の光が
焼き尽くすだろう
一条の光が
全てを


岩塊の衝突する
あの感覚なのだ
五感を閉ざしたところで
そう、叶いはしない
叶いはしないのに


2010/07/15 (Thu)

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