深い深い森だったどこかで何かが流れていた青い静寂が垂れ込めた黒い風が頬を撫でた彼は言ったあなたはあなたのものではない美しい少年だった長い長い時間だったどこかで誰かが泣いていた群青の偽善を浄化した聡い眉が疑義を呈した彼は言ったあなたには死すら許されない儚げな微笑みだった日の光がたちこめて粒子にまで昇華しそう東にいたあの少年は今はもうない彼は言ったあなたはあなたのものでない彼は言っただろうあなたには死すら許されない
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