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丘 光平の部屋


[4] 冬の手紙
詩人:丘 光平 [投票][編集]


うつろに揺れる草むらで
風はひととき、そのつかれた翼を休めていた。
それでも風に言いたいのだ、遅れていた花々は
こんなにも私うつくしく咲いているのよと
あるものは紅潮し、またあるものは満たされた思いで。 
それでも風は言いたいのだ、なぜなら彼は 
その身に雪をまとい眠り始めた山脈を 
やっとの思いで越えて来たのだから。 
そしてひととき、遅れていた花々の華やぎ熟れる草むらで 
うつろに揺れる風の心は 
つかれて休めていたその翼をもの静かに広げて。 
残念そうに手を振る花々を 
風はひととき、振り返ってはまたきびすを返し 
冬の手紙を胸に
うす紅の空を渡り流れて。

2006/01/25 (Wed)

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