詩人:林檎飴 | [投票][編集] |
確かに見たんだ
狭い四畳半の部屋の隅
確かに見たんだ
真っ赤な眼をした子猫ちゃん
手を伸ばせば喉の奥で鳴く
折れそうな細い身体を抱き締めた
独りじゃ生きていけないんだろう
お互い様じゃないか
だからせめて朝が来るまで此処に居てくれよ
夜は暗いよ
独りじゃ何も出来やしないんだろう
お互い様じゃないか
差し出された手を掴んだのは
君じゃなくて…
確かに居たんだ
部屋に敷かれた布団の上
手を伸ばせば届くと思っていたのに
小さな温もりは何処へ行った?
独りじゃ生きていけないんだろう
お互い様じゃないか
せめてこの曲が出来るまで居て欲しかった
意義がなくなる
独りじゃ何も出来やしないんだろう
お互い様じゃないか
弱さに差し出した手は
僕のじゃなくて…
独りじゃ生きていけないのさ
寂しすぎて
独りじゃ何も出来やしないのさ
情けないだろう
独りじゃ生きていけないんだろう
お互い様じゃないか
独りじゃ何も出来やしないんだろう
お互い様じゃないか
差し出された手を掴んだのは
君じゃなくて……