すずむしの遠くにひとつふたつ
月のあかりにつくため息は
つたなき恋の
セレナーデ

　　　　　　　　　　　 　　　　　詞・曲 そほと

かざぐるまが回るので
ぼくは子供にもどってしまいます

くるくる勢いよく
かざぐるまが回ってしまうので
ぼくも勢いよく走りだしたくなって
やっと自分の年に気づくのです

かざぐるまは
かざぐるまは
青空も曇り空も関係なく回るので
ぼくは飽きて大人になったのです

かざぐるまは
かざぐるまは
始めにおかあさんから手渡されたものだから
ときどき大人に飽きたら
かざぐるまを探すのです

はじめに
ゆびきりげんまん

おしえてくれたのは
おかあさん

さいごに
ゆびきりげんまん

してって言ったら
きっとあなたは
あのやさしい目をして
小指を出したでしょうね

いつも　いつも
こんなボクのわがままに
つきあっちゃう
人なんだから

うそ寒い風呂の
ぬるい湯につかっている

突風が
煙突を塞いで火が消えるのだ
今朝もこの風でドアのガラスが割れた

うそ寒い風呂の
ぬるい湯につかっている

みどりの
ぬるい湯につかったまま
メントールのアワを左手に
ジレットのカミソリを右手に
この強情な髭をいつまで
剃りつづけるのだろうかと
ゆらり　ゆらり　時が
過ぎて行く

外は
降水確率２０％の雨が
降っている

世界中のこどもたちが
しゃぼん玉飛ばしたら

虹になるかな

風に吹かれておりますよ
　　　　　　　　　　　 　　　　　詩・曲 そほと

風に吹かれておりますよ
浜に座っておりますよ
お日様照っておりますけれど
私は胸を抱いてます
きつくきつく抱いてます
ぽっかり空いたこの穴は
めくれて私を消すでしょう
あなたを無くしたその果てに
私も無くしてなるものか
けっして
無くしてなるものか

日が射せば
灰になる
恋を忘れた吸血鬼

おさんぽしてると
おかあさん
ひょこっとしゃがんで
草を摘む
苦労時代の哀しいなごりと
今は知るけど
幼い目に
いっぱい「ふ・し・ぎ」ためて
見ていたものです
そう
今は知るけど
思い出せば
うつくしい

涎とフケで変色した
俺の枕は嫌なヤツだ
俺の弱みをにぎっている
今夜も
期待にシッポをふるわせて
うずくまっている

あれっ
一人だ
と
菜の花の声
ふふっ
咲いちゃお
と
菜の花