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そほとの部屋  〜 新着順表示 〜


[177] 無風
詩人:そほと [投票][編集]

無風
夕立で冷やされた夜気が這い込んで来る
それは体に染み込み
代わりに私が染み出して行き
体は眠る

無風
静かに稲妻が走り
遠く他人事のように雷鳴

昼間見た田圃では
勢い良く伸び始めた稲達が
力強い矢印となって天を指していた
つられて見上げた其処には
確かに何か在りそうだった
無論
私には見えるはずも無く
見えようはずも無く
すぐに忘れてしまったのだが
持って帰って来てしまったのだな矢印

静かに稲妻が走り
遠く他人事のように雷鳴

矢印の緑を噛んでみる

さらに 無風



2009/02/02 (Mon)

[176] 月食
詩人:そほと [投票][編集]

ポーチ・ド・エッグを作りましょう
なぁ〜に 見ていればいいんです
あの月にもうすぐ雲がかかる
あれなら貴方様にも食べられる
さぁ どうしたんです
あぁ やっと食べ始めましたね
ははぁ 固ゆで玉子がお好みでしたか
だいだらぼっち様



2009/02/02 (Mon)

[175] わぁ〜〜い
詩人:そほと [投票][編集]

なの花ってね
種が付きはじめたらね
わぁ〜〜い
小さな手で
バンザイバンザイ
バンザイ



2009/02/02 (Mon)

[174] 問う
詩人:そほと [投票][編集]

つま先で問う
おい 枯れたか
カナブン



2009/02/02 (Mon)

[173] 水芭蕉
詩人:そほと [投票][編集]

水芭蕉
乾いた心たちは
 水を求めてそなたに出逢ったのだろう

 水に口をつけ
  沁み込む透明に安堵して顔を上げれば
 真白き佛炎苞の
 そなたが居るのだろう

 水 清きかな
 光 清きかな

吾等は思い出さねばなるまい
羊水より出でてタオルに包れた日の事を

未だ 水 清きかな
   光 清きかな
 さあ
 心 清くあれ



2009/02/02 (Mon)

[172] 安定
詩人:そほと [投票][編集]

目は半眼
アマガエル
即身成仏覚悟の座禅



2009/02/02 (Mon)

[171] 春誕生
詩人:そほと [投票][編集]

春はまだ浅く
気の早い一叢のれんげは
まだ半透明の花
まだ半透明の茎の上で
気の早いひばりの歌を
やわやわと聞いている
ふっくらと緩んだ地面は
影も光も吸い込んで
次の色を創っている
春は何処からも来ず
ここで生まれていた
大地が大きく息をした



2009/02/02 (Mon)

[170] である
詩人:そほと [投票][編集]

我人生の糸は
こんがらかったまま
ずいぶん長い事
こんがらかったまま

コングラッチレーション

やけくそである



2009/02/02 (Mon)

[169] 姿見
詩人:そほと [投票][編集]

わっ!!

あたふた あたふた
おろおろ おろおろ
こそこそ こそこそ
ごそごそ ごそごそ
掘り掘り
潜り潜り

もういいかな

わっ!!

掘り掘り
潜り潜り

まだかな
きっとまだだな
まずダメだな
ずっとダメだな

いつまでたってもキライな自分



2009/02/02 (Mon)

[168] 雨後
詩人:そほと [投票][編集]

夜の祭りは悉く
水溜りの中に履物の底を見せて通り過ぎる
テキヤの声も
水飴の様な唾液を伴う男女の声も
全て向こう側だ
両親にぶら下がって越えて行く子供が
此方を見た
私が見えたか
見えたかもしれない
なぜならば
私は胎児の様に縮こまって居るしか出来ないからだ
祭りの花火は大き過ぎて
大き過ぎて全ては見えない
美しいのだろうな
どれ
も少し水溜りを広げてみるか



2009/02/02 (Mon)
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