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soulの部屋


[194] 不完全な幸福
詩人:soul [投票][編集]

渇いた喉から吐き出す声は無力に白く
冷たい壁に跳ね返された

雑踏にかき消された僅かな望みは容易く薄れて
街は今日も電子が笑う

夢を描いた
いつかの少年
悲しげに"これでいい"と

渇いた温度を潤した雨は無抵抗に散った
綺麗な情景地面に跳ねて

守り通した僅かな誇りも容易く薄れて
街は今にも凍りそう

愛を手にした
いつかの少女
虚ろな目をして"これでいいの"と

鮮やかな世界を見られないまま
曖昧な風景が回りだす
昨日見たのは確か
眠い幸福に抱かれた夢だ

夢を描いた
いつかの少年
悲しげに"これでいい"と笑う

渇いた喉から吐き出す声は
無力に白く
容易く薄れて消えた

それでもまだ
彼らは"これでいい"と

2004/11/12 (Fri)

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