詩人:soul | [投票][編集] |
季節を彩る
美しい嘘が一つ
風にさそわれて
知らない場所へと帰ります
あなたは素敵な世界だと笑って
わたしは黙って煙草をふかしています
青いはずの空が色を変えて
知らない街に灯が点る頃に
風がふいにふいて
知らない花がゆれながら
いとおしい影を落としていました
どこからともなく
ふらふらと
舞い降りてきた
何とも例えられない静けさが
窓から夜を連れてきて
気付いた頃には
知らない朝がやってくるのです
昼下がり
一つの季節が過ぎる頃
知らない時間を惜しむように
知らないあなたの背中に向けて
わたしは手をふったのです