詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
傾けなければ
聞こえなかった
受動的な銃声に
鼓膜を破られ
意気消沈
目線を合わせず本体は
それ見たことかと
抜け出てく
爽やかな横顔で
軽やかなステップを踏み
足早に左折
僕はもぬけの殻になる
ささくれ立った親指を
無差別な眉間に向け
逆剥けを引いた
息を殺して
朗らかに光る
あとは待つだけ
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いくらか歳を重ねた
僕らの胸に
響いてくるものがある
生きててよかった
とまでは
思えなくても
いま
この時
この瞬間に
出会えてよかったと
思えるものが
あの時
何も感じずに
世界の隅へと流され
消えたものが
いま
再び目の前に現れて
僕らの胸に突き刺さる
えぐるように
つつむように
中心から響いて止まない
生きててよかった
とまでは
思えなくても
きみに会えてよかった
ありがとう
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ふとした拍子に
あふれた閃光から
吹きこぼれるように
うまれた命が
きみ
他には誰もいないのに
いても気にしないように
きみに話しかけるように
ここに記す
軌跡が体をあらわして
完成するまで
あともう少し
簡単じゃないよな
困難でもないよな
定めでも偶然でも
いや
陳腐な話はなしにしよう
冥々明々
メイメイ
命とともに
脈打つその名に
描くの
そろそろ終わりにしよう
ちろちろ落ちる光の音が
聞こえなくなって
ぼくは手を止めた
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光の届かない四畳半で
斜めに歩く街角で
昼下がりのウミウシが
あくびをしてるその横で
変わらないのは
目の前に
あなたの言の葉が
舞っていること
明かりの消えた世界でも
溶けずに手のひらで
息衝くのは
ひとはの
あなたの
言の葉で
多忙な彼らが
群れをなして明滅する
無音からは程遠い
そらの底で
なんて返そうか迷って
結局
あなたには
何も言わずに
何も告げずに
眠りますが
たまに
気まぐれに
声をかけても
気にしないで
おやすみなさい
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6の段が言えず
7の段をカミまくり
それでも
ハチ公の前で
世界制服宣言
共感してくれたのは
セーラー服を着た
マッカーサー似の
おじいちゃん
おも詩ろく
詩ねないか
ただそればかりを
模索詩続毛手
自己との対話を繰り返詩
お自慰ちゃんと
嘲笑う犬共
修羅場と化した
お風呂場で
親指を片手に
ケータイを撃つ
お前、言ったよな
まだ詩ねないし
まだ寝ない
あの頃の
読み手も書き手も
誰ひとりいなくなっても
この部屋に
居座り続けるんだって
けれども立った
クララと共に
ここではないどこかへ
旅立った
地獄のURL
閻魔大王のメアド
教えておじいさん
煩悩をかみすぎて
空になったティッシュ箱
希望も未来もないのなら
うれ詩かな詩を詰め込もう
引きこもって
悲喜こもごも
朝になれば顔は咲くかな
しわくちゃの
マッカーサー似の
おじいちゃんの鼻みたいな
まだまだ書けるだろう
もっともっと面白いもの
ヤレるだろ
朝まで
でも腰を痛めてますので
お手柔らかに
リードして下さい
お願いします
以下自主規制
しばらくお待ち下さい
そのあとに
奇抜でも
無個性でも
透明で真っ黒な明るい
涙を流す赤い猫の瞳
潰れたトマトのような
夕焼けが闇に染まる頃
俺はあたら詩い作品を
書くんだ
目指せ芸人
違った
しじん
いや
まずはしじみ辺りを
目指そうか
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寝返りを打った数だけ
文明は進み
わたしが眠る
あいだにも
彼らは
新しい機能に夢中で
一度でも流れに逆らうと
もう
二度と
追いつけない気がして
歴史のスミに
へたり込む
めまぐるしさに
目が回り
疲れて
手を抜き
足を放り
散乱する意識
頭を抱え
眠気を催せば
最先端が星屑になるまで
夢半ばもかからない
起きたら既に
21世紀は終わっていて
わたしが
私じゃなくなってて
みんなが
面白いっていうゲーム
クソにしか思えず
また大あくび
もう知らない
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君はウツだと言った
それを聞いて僕は
少しホッとした
こんな時代だから
こんな人間だから
おかしくならない
方が
オカシイ
なんてね
流行り病に浮かされて
死に体離脱
誰かを暗示るように
罵り続ける
自分自身にツバを吐く
灰色の世界
片仮名だけで構成された
君の抱える頭の中身
カチ÷って
飛び散る脳漿
そいつを啜れば
同種同食
僕の悪いアタマも
少しはマシになるかな
君の分まで幸せになるよ
あの曲ってさ
恋人(又は親友)が
死んだ時に
作ったらしいよ
それが迷信でも
おかげでヒットしても
唄には罪はないか
歌い手は
そんな噂すら知らない
やりたいことも
やらなきゃいけないことも
全部手つかず
ぬるい熱にヤられて
腐るあちこち
君の声が聴きたくて
耳だけを必死に守る
やがて朽ちていくのにさ
諦めながらも必死でさ
その姿は
自分じゃ見れなくて
見る気もしなくて
ただじっと
君の声に
耳を塞ぎ
じっと聴き入り浸る
これからの人生
死ぬまで
放心状態でもいいかい
人に訊くな
聴くな
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踏み込んでくる者は
容赦なく
どうにもできず
あらゆる力の
ない人間は
抵抗しても
たかが知れていて
進行形のリアルへと
否応なしに
引き戻されて
倒れる余裕も
与えられずに
とにかく
生かされる地獄
ぼくの世界
独りの世界
もう構わないで
こっち来ないで
ガタガタ震える
頭で描いた
落ち着きのない
歪な円が
とても弱い
ぼくの防波堤
誰かひとりの
世界じゃないから
干渉されても
文句は言えない
けれども
厭なの
ワガママなんだけど
陽の当たる場所に
まだ用はないから
差し伸べないで
はやく引っ込めて
その手で
ぼくを掴まないで
救われなくてもいい
もう少しだけ
このままに
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いつからだろう
あれほど
恋しかったアナタを
待ち望まなくなったのは
春よ来るな
春よ来るなと
幾度唱えても
近づいてくる
君の足音
遠ざけたくて
マスクに身を包み
ひとり震える夜
まだ冬なのに
むずむず
むずむず
鼻がむずむず
じゅるじゅる
じゅるじゅる
鼻水じゅるじゅる
ずびずばずびび
鼻かみずばすび
魔の手に掴まれ
人目も憚らず
私を汚す
君にどれだけ
抵抗しようとも
止まらない濁流
しょぼしょぼ
しょぼしょぼ
目がしょぼしょぼ
やにやに
やにやに
目やにやにやに
かゆかゆ
かゆかゆ
とにかく痒い
瞳を保護せよ
薬液を垂らして
バリアを張ろうとも
意にも介さず
軽々と打ち破り
多大なるダメージを
受けて赤い目
涙を流し白旗を振る
俺が何をしたって
言うんだっ!
鼻腔からの叫びは
虚空へと飲み込まれ
追い撃ちに遭うばかり
降伏しても
攻撃の手を緩めない
容赦なしの君に
もうもうろうろう
意識朦朧
ねむねむねむねむ
副作用でうとうとと
ふらふらふらふら
安定感も失われ
ぼやぼやぼやけて
明日が見えない
過剰反応する
我が身かな
勘違いしないで
べ、別に
アンタのせいで
熱くなってるわけじゃ
ないんだから!
デビューして
二年目の
春がやってくる
新たな恋と
戦いの予感
君とは
長い付き合いになりそうで