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高級スプーン似の部屋  〜 投稿順表示 〜


[85] サビ抜き
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言葉を交わさず
唇を交わす
いつか失って
寂しい口元
煙草をふかす
得ようとするもの
空に交わり
消えていく

今はもう
はるか昔のような
最近
大丈夫かよって
誰に言う
無理をしながら
笑ってる
大丈夫だよって
笑ってる
あなたの泣き顔
離れてしまって
ここにはもう

次に好きになる人に
大好きな人がいたこと
話さないのは嘘だろう
面影壊して何になる
心から
あなたを消してまで
誰を好きになればいい

空を掴んでは
離すの繰り返し
何度も聴いた
サビの部分
何度も過ごした
毎日が抜け
片隅に
残っていたのは
泣き顔ばかり

交わした言葉
交わした唇
得ようとしたもの
空に交わり
消えていった

2008/03/28 (Fri)

[86] 四月一日
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明日も明後日も
四月一日なら
もう少し正直に
今日を生きていた

昨日も一昨日も
四月一日なら
もう少し楽に
今日を生きていた

それも嘘になって

2008/04/01 (Tue)

[87] いびびびび
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水曜の夜に
ゴミを捨てにいくよりも
大切なことは
山ほどある

水曜の夜に
ゴミを捨てにいくのを
忘れたからと言って
大して困ることはない

水曜の夜に
大切なものを捨てにいく

水曜の夜じゃなくても
木曜でも火曜でも
別に構わない

大切なものを
捨てにいくのを忘れた

山ほどあった大切を
すべて忘れてしまっても
別に構わない

そんな風に思った僕は
臭いだけのゴミ野郎

水曜の夜に
僕を捨てにいく

僕より大切なことは
山ほどあるが
僕がゴミなら
捨ててしまえ

僕のことを
忘れてしまっても
別に構わない

そんな風に思えたら
どんなに楽だろう

本当の苦しみを
知らないから
そんな風に言えるんだ

2008/04/03 (Thu)

[88] 川流れ
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溺れているのではなく
自ら進んで
目的そっちのけで
ここからどこかへ
離れていく

置いてけぼりを
くらった現状は
納得いかない気持ちを
奥の方に
押し込んで
再び平和を
取り戻そうとする

肝心なものは
流れてしまって
もう見えない

それを
どれだけ
繰り返しただろう

誰もが
流れてしまって

振り返っても
もう見えない

2008/04/17 (Thu)

[89] 出口を探さないで
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疑問符で終わる
本ばかり読んで
悩みを解決
した気になってる

鏡に映る右足
扉を開いて
くれないかな

真夜中のゴミ出し
流れる車の光の先に
白く淡く輝く
ウサギがいた

追いかけたらよかった

後戻りをしても
そこにはいない
空を見上げて
「帰ってしまった」と
嘆くんだ

逃げ場のない現実から
それでも逃げるには
運と勇気とタイミングが
必要みたい

いまさら気付いた
弱虫ライオン
自分より弱い者を
叩いて潰して
自分と共に
殺してしまった

銀河を走る
夜汽車の中で
目を覚まし
架空の世界をプレゼント
される予定だったのに

空想は実現せずに
朦朧に
着地点のない
宙空をさまよう
けれども
月には全然
届かない

あーあ
親愛なるマザー
今宵も窓を
叩いてくれませんね
いつになったら
叶うのか

出口は数あれど
望みからは
果てしなく程遠く
おぞましい唄に
意味はなく
カワイイ唄さえ
歌えない

小さな反響にも
怯えて暮らす
能のない人間ですから


はて?

2008/05/08 (Thu)

[90] SF
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まわりくどく
うたっても
きみは
まゆをひそめるだけ

きてれつな
ことばをはいたり
いみふめいなこうどうを
かさねるぼくが
なにをしたって
ひとつもつたわらない
けど

ふしぎなことに
きみはぼくがすき


ふくのしゅみも
すきなおんがくも
みたいてれびのばんぐみも
たべもののこのみも
わらうばめんも
なくところも
ぜんぜんちがう
のに

ふしぎなことに
ぼくはきみがすき


つたわっているか
ふあんになって
そのふあんが
つたわって
きみをしんぱいさせる

それから
ぼくはわらって
わけのわからないことを
くちばしる
わけわかんないと
きみはいった
けど

ふしぎなことに
きみはぼくがすき
ふしぎなことに
ぼくはきみがすき

ふしぎなことに
ふたりはしあわせ
いつまでもいつまでも

めでたしめでたしと
ぼくはいった
そんなさきのことは
わかんないと
きみはいった
けど

ふしぎなことに
これからも
うまくやっていけるような

2008/05/10 (Sat)

[91] 出ておいで
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おいしい水は
自分ですくえる

いけないことも
自由だよ

騙しても
こっそり盗っても

おいしい水を飲まない
それもひとつ

水を飲みたいんでしょ

我慢するの?



おいしくない水をすすって
それでも
おいしいと思った


水は必ず
あるわけじゃないから

いつ
どこで
すくえばいいのか

考える

おいで

こっちにおいで

出ておいで

怖がらなくてもいいよ

すぐにすむから

2008/05/11 (Sun)

[92] 利己紹介
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隣の人を
見殺しにして
地球の裏側で
困っている人を
助けたいと願う

救(報)われない力で
人生を振るう

他の生き物だったら
とっくに死んでいた
なのに
生きている
彼女よりも
彼よりも

私は私が
いつか死ぬこと
知っている
学べるだけの
幸せがあった

誰かを助ける
ワケでもないのに
自分の命を削ってる
それでもいいって
開き直る
諦める
ダメになる

誰も助けていないのに
救いを求めて
どうするんだと
訊いているのは
こっちの方だぞ?

心のない人間は
何を込めて
ありがとう
ごめんなさいを
撃つんだろう?

挨拶を交わしきれず
喰らった一撃で
偽善しさは崩れて
無表情になる

冷たくて酷い奴
知らない人にしか
見せない本性を
偶然見つけて
愛してくれないか?

ほらね
頭ン中
自分でいっぱい×2
地球の裏側で
困っている人はもう
どこにもいない

利己チューな私は
彼女よりも
彼よりも
長生きしているという
俗悪処世術

物心
「もう持ってる」って
嘘をついた
あの日から
空っぽの掌
隠して生きてきた

バレはしないかと
おっかなびっくり
歩む人生だから
どんな悩みも
軽率なものでしかなく

どこまでも
どこまでも
隣の人から離れていく

2008/05/13 (Tue)

[93] しき
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「変わらないね」って
よく言われる
昨日死んでいても
明日生きていても
もしかしたら
同じじゃないか

「変わったね」って
よく言われる
昨日の俺も
明日の俺も
もしかしたら
俺じゃないのか

だったら
いつ死ねばいいの?
って思う

一晩寝かせた
死体は美味しい
こんな俺でも
悲しんでくれる人
数える間に
寝付けるか
数え終わっても
夜は明けず
本気で死ぬのが
怖くなって
飛び起きる

無死になれ
無私になれ
どっか行ってよ
触るな
消えろ

マラソン
途中でリタイアして
笑ってる人
歩きながらも
完走して
泣いた人
それを見て
明日も頑張ろうと
思う人
それを観もせずに
マラソンなんて
つまらないと
吐いた人

ちょっと待って
行かないで

嘘じゃないけど
本気じゃないの

オブラートに
包み込むのが面倒で
苦いおもい
喉元過ぎても
後味悪くて
忘れるまでに
時間がかかる

選べるだけの
それを持つ人
選べずに
それを待つ人

どうも違うな
これといった
言葉も出ない
なら書くな


途中で嫌になっても
自力で終わらせる方が
やっぱり難しいや



ごめんなさい

2008/05/19 (Mon)

[94] 春が流れて
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しとしと笑って
湿気ってく
暗くなる季節
みんなに嫌われていく
わたしも
好きにはなれないけれど
とりあえず笑った

あなたは泣いてもいいよ
しとしと笑う
わたしの横で
泣いてもいいよ

春の背中が
見えなくなっても
わたしは消えない
あなたのそばに

2008/05/21 (Wed)
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