詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
敵わない
どんな手を使っても
勝てない
そのヒトの真似をしても
そのヒトにはなれないし
そのヒト以上にも
もちろんなれない
敵わない
それでも構わない
とは言えない
綺麗なんだ
純粋なんだ
澄んでいるんだ
底まで見える
感情汚染
ドス汚い気持ちで
いくら競おうと
あなたには敵わない
いくら望もうと
わたしには叶わない
それでも構わない
とは言えない
絶対に
どうすればいいか
わたしは訊いた
どうすればいいか
あなたは言った
見えてない
あなたは何も
わたしの事を
見ていない
わたしはもっと醜いよ?
綺麗じゃない
純粋じゃない
澄んでなんかない
心はもっと見にくいよ?
ふんっ
そう言うあなたが
わたしは憎い
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あとで使うから
と
残した余力
結局使わず
どこかへやった
頭の中を
整理していると
出てきたのは
カビの生えた余力
まさか
こんな風になるとは
予想通りにも程がある
今更なのに
人目を気にして
見つからないように
ポケットに
余力を隠した
捨てるに捨てられないし
他に食べるものもないし
自分に言い訳しながら
何をする気だ
とぼけるなよ
理解ってるくせに
誰も見ていない
今だ
カビの生えた余力
食べて生きている
不満をぽろぽろ
こぼしながら
生きている
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疑わなければ
絶対と呼ばれるもの
見向きもしないで
何を見ている?
ハロー天国
自分を雲に上げて
神様目線で
希望を探す
望みは絶えない
只、
耐えられないだけ
ハローハロー
嗚呼を連呼する
最早病気の唄歌い
阿鼻叫喚
信じる信じないは
あなたの自由だって?
そんなこと言うな
強制してくれ
責任は
肩が凝るので
要りません
明日を待たせて
苦しんでいる
ぼくにわたしに
救いの手を
刺し述べるのは
いつも自分
コンニチワ
コンニチは
元気ですか?
相手が元気かどうか
本当はそんなことが
訊きたいんじゃなくて
訊きたいことが
本当にないんだ
だから
最後に
ぼくは元気だよ
(わたしは元気だよ)
って
鬱
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はるか彼方から
幾星霜を経て
ぼく宛に届いた
プレゼント
差出人は運命
頼んでもいないのに
いつもあれこれ
送りつけてくる
困った奴だ
今度はなんだろう
そう思いながら
おそるおそる
出会ってみる
すると
其処にいたのは
きみだった
生まれた時から
感じていたこと
一人じゃ何か
足りない気がして
いつも“何か”を
探してた
息をする度
催す不安
助けてほしいと
願ったけれど
どこにも届かず
誰からも
返事はなかった
心にしまった
ぼくの気持ち
震える胸に
両手を乗せて
ひとり寂しく
苦しみと戦った
それから
幾年月を経て
現れたのは
きみだった
誰にも
届かなかったのに
優しく笑う
きみの手が
ぼくの心に
静かに触れる
“何か”は
何かじゃなくなって
温もりに変わる
求めていたのは
きみだった
贈り主は運命
でも
選んだのは
ぼく自身
幾星霜を経て
出会えた幸せ
大切にしよう
宛先は奇跡
「ありがとう」
感謝を込めて
きみに贈る
プレゼント
喜んでくれるといいな
照れながら書く
PS.
「大好きやで」
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築五十六億年の
建物に住む僕ら
性懲りもなく
平穏を握り潰す
緊急事態発生
する前に
対処できなかったのか
今回も
罪と罰を置いて
お前雲隠れ
間接的な前触れまで
気にする余裕はないよ
って
隙をつかれ
また逃げられる
相手が
本当のことを
言っているのか
嘘をついているのか
完璧に見抜ける
私を下さい
誰に願う?
救いの手を
差し伸べる
聖人君子の本当の姿
見抜けるだけの
能力もないのに
どれだけ
自分が不幸になっても
自分を信じてくれる人を
不幸にしちゃダメ
うるさい黙れ
知るかそんなの
信じる誰かが悪いんだ
信じるお前が悪いんだ
信じる自分が悪いんだ
帰れ
人間関係
破壊して
人間関係
修復して
人間関係
破壊して
人間関係
修復できなくなって
人間関係
放置して
人間不信に陥って
築××年の僕は
今にも壊れそう
嘘さ
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赤い糸で繋がった
隣で笑う彼女とは
違う人から告白された
それだけの話で
それ以上の展開もなく
きみは消えた
断る以外の方法は
他にも色々あったのに
隣で笑う彼女から
笑顔が
消えることはなかった
繋がっていたのは
赤い糸
細くて赤い
ただの糸
ただそれだけの
関係なのに
その後
何不自由なく
平穏に
暮らしています
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優柔不断な
オイラにとって
割り切るのは
とても難しいことで
善偽善悪私利私欲含めて
『人を殺す』ボタンを
ポチっとは押せない
悩んだフリして
逃げ出して
逃げ場がなくなって
ジタバタしてから押す
いつか
実行するかもしれない
例えばの話ね
なるべく決断は少なく
曖昧に人生を濁す
洗濯も選択も面倒だ
後回しにして
しんどいしんどい
言っちゃって
ラクをするんだ
どっちにしろ
苦しいのにね
少しでも
余裕のある方へ
傾いてく
愛想をつかさず
愛してくれる
愛しきひとを
愛せなくなったら
もうこれ最低としか
言いようがない
同意を求めるまでもなく
まだ最低じゃないって
言えるだけの傲慢を
もっと他方面に
気配れないのかって
ため息ついても
お菓子は出ない
つまるところ
早く活きろ
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消費しろ
もっと消費しろ
燃え尽きる前に
火を消すな
燃焼しろ
もっと燃焼しろ
溶けろ
もっと溶けろ
ダメになれ
もっとダメになれ
これ以上
もう使えませんと
命がへばるまで
もっと自分を
消費しろ
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余った分だけ
死んでいる
だいたい夜の一時から
寝るまでの二時間弱
よしよしいいこだ
もうおねむり
睡天使
頭の周りで囁くよ
気が散って
眠れやしない
毛深いと嘆く人
皮膚が見えているよ
もっと生やさないと
だから
守れやしないんだ
あちこちに
見栄をマーキング
ケモノのにおい
ちらつかせ
刃物の腕に胸を寄せ
今夜もエモノの
フリをする
頭でっかち
尻と魂胆が見え隠れ
死体になって
観察するんだ
腐っていく双眸で
夜を視る
把握しきれないけどね
脳がヤられて
覚えが悪い
よしよしいいこだ
もうおねむり
余った分だけ
生きている
だいたい夜の一時から
死ぬまでの二時間弱
俺は目を瞑想り
みんなを見ている