詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
物心つく前に張った伏線
未だに回収できずにいる
無理のない
着飾らない私を装って
あの頃から変わらない
気持ちを蔑ろにして
背伸びをしたまま今日も笑う
周りに気付かれていないか
本当は空っぽだってこと
行間には何も隠されていないよ
それなのに
探してほしそうな愁いを湛え
そっと目を伏せる
未だに回収できずにいるの
覚えているのに
悔しいくせに
本気を出すのが面倒だとか
終わっているよお前さあ
退廃的を履き違え
大人になっても
ボタンを掛け違えてしまう
笑っているのは私だけ
誰も見ていない舞台
立ち続けるのは苦しいでしょう
掛ける言葉を掛ける人のいない場所に
当たるスポットライトが眩しすぎて
希望の光が見えません
せめて真っ暗闇な森の中なら
隠された木に生い茂る秘密の一枚の葉
どんでん返しの結末を
掴めたかもしれない
って言えるくらい
まだ夢を見ているお前の目は何も見えていない
うまれたての赤子同然
よちよち歩きもできないで
ありもしない藪の中に思いを馳せる
物心つく前に張った伏線
今となってはもう
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
愛するあなたに愛されないのは
愛するあなたが愛してないから
愛されたいのは私の方で
愛されてるのはあなたの方
愛されないのに愛しているよ
ずっとずっと
これからも
だなんて虫がよすぎる
忘れることはできないけれど
いつまでも
愛されてるだなんて思うなよ
バーカ
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
隣にきみがいるだけでいい
なんなら想うだけでもいい
原始的な営みなど無価値
ヤリたきゃヒトリでデキるもん
隣にきみがいなくてもいい
それなら悩まなくてもいい
子どもなんて要らない
家族の繋がりなど無価値
暖かい温もりに何の意味がある?
人類は私ひとりで事足りる
あなた方など必要ないさ
だったら私も必要ないか
誰も愛せないなら無価値
原始的な営みに
新たな試みを
あなたの企みに乗っかって
懸命に精を出す
そうして芽吹くものに
意味を見出せなければ無価値だとか
そんなこと
深く考えずにヤッっちゃえば?
飽和と崩壊繰り返し
過ちだったと後悔しがち
あんたなんか
うまなければよかったと殺される前に
わたしなんて
うまれなければよかったと死んでやる
セックスなんて廃れてしまえ
恋から始まり
Hの次が愛だって言うのなら
その次に来るものは何ですか
停滞後退減退衰退
新しい育みは土へと還る第一歩
進むべき未来に営みなど無価値
だったら
人類なんて滅んでしまえ
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
スポットライトは放射能
自分なりの思想を
口走らなければいいものを
自分らしい発想だけを
発信していればいいものを
妄想の誇大広告
大々的に打ち出して
星の数ほどの非難を轟々
暴々と燃え盛る罵詈雑言を前にして
飛び込む様は勇気か無謀か
少し考えれば理解ることなのに
深く考え過ぎて満身創痍
死に急ぐ姿
見てられないったらありゃしない
それでも
忙しなく戦っている姿は
格好良いから世話がない
同じ喉とは思えない
あなたの声は
この上なく素敵で困る
実生活においては別に
困ることなんてないのにね
現実逃避には
あなたの声が必要なんだとか
声を大にして言ってしまえば
それこそイカれた光の粒子
いよいよわたしもおしまいだ
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ご自由にお取り下さいと
張り紙された聖書の入ったカゴ
街中に置かれたそれには
目もくれない忙しない人々の朝
終電間際の時間
カゴの中や周囲には
空き缶や煙草の吸殻や
紙くずが散乱していた
それを横目で見て思わず
笑ってしまった
笑えなさすぎて
足早にその場をあとにした僕も
いじめの第三者みたいなものか
神は噛み殺された
頭の悪い猿たちに
信じる心のない
中でも心のないマナー違反者のゴミ屑共は
世の中に笑えないほど散らばっている
これがありふれた光景だと言うなら
「Oh my xxx!」
信じる者も救われないぜ
聖書を猿に読んでほしいなら
せめて手渡ししないとね
誰もいなけりゃ
ゴミ箱と間違ってもおかしくない
カゴの中
最初に置かれていたものでさえ
ゴミだと思って
空き缶を捨てたりする
おかしい人たちの集まる世界だ
信心深い隣人は
それでも説き続けるのか
救われない話だな
救われないからこそ
救われようとして
救いたくて
救済を叫ぶのか
祈りの先に神はいるのか
とりあえず
街のゴミでも掃除しようか
他に私にできることは
黙って土に還るくらいだ
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俺を殺して下さい
この先
まともに生きれそうにありません
俺を殺して下さい
自分じゃろくに死ねないのです
そうして
差し伸べられた手は
俺の首を絞めることなく
力いっぱい抱きしめた
それから
あなたはこう言った
「 (a) 」
けれどなんて言ったのか
全く思い出せない俺に
教えてくれないか
括弧内に当てはまる
救いの言葉を
あなたならなんて答える?
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自殺未遂をした彼女は
その日より過去の記憶しか
持たないの
繰り返される本日
「大事な話ってなあに?」
繰り返し訊かされる
君からの問い掛けに
僕は小さな箱を取り出して
こう答えるんだ
I vow eternal love !
彼女が部屋を飛び出す前に
僕が告げた言葉を覚えていない
君はとても嬉しそうに笑った
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
違法ダウンロードした曲を聴いて
涙を流す自分に嫌気がさした
突き動かされた感情は
嘘じゃないっていうのに
偽善者なんだか悪者なんだか
自身の体に何でもかんでも
レッテルを貼りつけまくり(それで安心?)
耳なし芳一状態に
誰か
この両耳を削ぎ落としてくれたらな
心も失って
無感動になれるだろ
愛嬌だけを振り撒いて
それなりのセックス
いい感じに愛撫して
頂までふたりでイったとしても
センシティブな内面には触れないで
なんて
都合が良すぎでしょうか
あなたを裏返して
奥底にまで達したい
秘密にしている穢れた醜い本心までも這いずって
朝まで舐め回していたい
たとえ正気じゃなくたって
狂っていたって構わない
気持ちよければそれでいいなんて
それこそ
声には出せないが
あなたを殺して
わたしは死なない
それくらいの我が儘
聴かせてくれる
ヘッドフォンがほしい
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
無い物ねだりのゆめ物語
強情に叶わぬ妄想を膨らませ
頭でっかちパンク寸前
頭が重くて動けない
いっそ弾けてしまえば
どこにでも行ける気がするけれど
それもまた夢の中
舞い散る蝶から見て
今の私はどのように映っているのか
問い掛けてみても
分厚い壁の向こう側
聞こえやしない返事など
待ちくたびれて
途方に暮れて
床に寝転び惚けてばかり
ちょうちょ
ちょうちょ
この手にとまれ
今すぐにでも飛び起きて
ああ
悪い夢を見ていたんだなと
私という存在を全否定してくれよ
この手で翅を握り潰す前に