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高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[332] たとえばそう、あなたみたいな
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玄関のドアを開けて
外面を脱げば
帰ってきたなと
襲う沈黙

みんなの前では
あんなに
笑えていたのにな
多少のお愛想も
混じっているかもだけど
それなりに楽しんでる
自分だっているしさ

鏡を見ると
人前には現れない内面が
精気のないツラ
向けてきやがる

ひとりになると
明るく振る舞えない
どん底まで急落する気分

自分じゃ
どうにもできなくて
誰かに助けを
求めてしまうの

って
友達が
悩んでるんだけど

わたしは
どうすればいいと思う?

友達?
じゃなくて
きみは

そうだね
まずは自分と向き合っ

模範回答は
聞きたくないの

欲しいのは
言葉じゃないの

欲しいのは



こころの奥深くで
繋がり合うことが
できるような
相手が欲しいの

ああ

わたしじゃなくて
友達の話ね

2011/05/28 (Sat)

[331] 陰日向にちぢれる
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堂々と
表に立てば
摘まれるよ
忍び棚引く
たてがみの君

2011/05/26 (Thu)

[330] いつだって壊れられりる
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虫ひとついない
鉄塔の森
くぐもる鉛色の空
血も涙もない
人工的な景色は
今の気分に釣り合って
寸分違わずフィットする

名前も知らぬ
設計者にとっては
お誂え向きのコースか
自動操縦で
走る電車

どこに行くのか
どこまで行くのか

決定された未来は
しかし
約束はされていない
寝過ごすこともあれば
脱線することもある
それはわかってる
それはわかっている
つもり

血走り歯軋り
蜘蛛の眼
網の目
絡みつく日常
抗おうと懊悩
黄昏時
他者にとって
それは希望と羨望の

まなざし
明後日ゆき
駆け抜ける
幸福のひととき

気が狂わないの?

禍々しき赤い口
夕闇トンネル
潜り抜け
止まった先に
待つうつつ

針はチクタク
刻んでいるのに
起伏のない感情
こころは揺れず

再び動き出す中で
舞い散る粉塵を見た

怪しい雲行き
虫ひとついない
鉄塔の森
走る電車

れられりるれろらろ
ろらろれるりれられ

どこまで行けるか
安らかに輪廻するあたま
中指で弾くほどの
力も要らない
だから

いつだって壊れられる

2011/05/23 (Mon)

[329] こけら落としの味わい
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    あ

    あ

    あ

     あ

     あ

      あ

      あ

       あ

       あ

      あ

     あ

    あ


   あ


    あ


   っ



  ら




 け






2011/05/20 (Fri)

[328] プラマイゼロ
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どれだけ
楽しい時間を過ごしても
それと同じ分だけ
苦しみが訪れるなら
ゼロになりたい

いまある喜びが
やがて
悲しみに変わる前に
わたしはゼロになりたい

幸せを手にした分だけ
不幸に奪われるなら
わたしは最初から
何も要らなかった

なんて
言えないけれど

足した分だけ
引かれていくなら
わたしもゼロになりたい

差し引きゼロなら
いいけれど
そうじゃない

きみとふたり
いまはひとり

わたしはいつも
ゼロにはなれない

出会っても
いつか
別れがくるのなら
わたしは

はやく
はやく
ゼロになりたい

2011/05/18 (Wed)

[327] あったのにない
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知らなければ
不便にも感じなかった
でも
知らなければ
必要とも思わなかった

それは良かったし
悪かったことでもあって

ただ
失わなければ
気づかなかったのは
良いとも悪いとも
言えなくて

うん

この感覚は
もう二度と
味わいたくないな

そう
思っていたのに
また

伸びる        手

2011/05/09 (Mon)

[326] 左の目
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自分自身の
身体の一部を
嫌ったって


形を変えたり
取り除ける部分であれば
いくらでも
なんでもするけれど

こればっかりは
どうにもならない
メスの入る余地の
ない箇所にある
それ

まともに見ることも
目をそらすこともできず
曖昧な視線
送り続けてる

生まれてから
今までの間に何度
いやな気分になったろう

数えきれない
数えたくもないくらい
大嫌いだ
大嫌いだった

それだけなら悪かった
けれど
それだけじゃなかった
から
なんだか
どうでもよくなかった

右の目も
おかしいんだってさ

笑うしかないけれど
本当は
誰にも
笑われたくはなかった

なにも
見ていなかった
なんにも
見えていなかった

いまも
素直になって
向き合えずにいる

それでも離せない
胸から手

瞑ると見える
こころの目

露知らず
うつつに夢見て
奪われる

目とこころ

2011/05/07 (Sat)

[325] 深淵のぞき
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針のない時計は
さらに正しく
確かな時を刻み
にんげんの
根幹を揺るがして
正気を保てなくする

ぼくらがこれからも
まともでいられたなら
うまくいっていたのかも

きみの内側
自分自身でも
よくわからない理由で
波打つ感情
二人の行き先を
左右するクセに
未来を暗示
してはくれない

楽しかったことも
嬉しかったことも
辛さ苦しさに
のまれてやられ
安らかに眠ろうとする

ききたくないよ
もう
迫ってくるような
針のない時計のおと
だから

必要なのは
処方箋でも
暖かい家庭でも
大切なひとでもなくて
ただ
落ち着いてしにたい

陽気な歌を聴けば
テンションだって
高くなる
それは
ぼくらによく似た
空気のにんぎょう
だったけど

何を考えているのか
わかりたい
ワケじゃなくて
知りたくもない
こころを
打ち消したいんだ
それだけです

2011/05/07 (Sat)

[324] 幻惑のoppai
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もしも
あなたが
Aだったなら
気にもとめて
なかっただろう

もしも
あなたが
Bだったなら
そこまで気にする
こともなかった

もしも
あなたが
Cだったなら
少しは気になって
いたかもしれない

もしも
あなたが
Dだったなら
触らせてよと
言っていたかも

もしも
あなたが
Eだったなら
何も言わずに
もんでいただろう

もしも
あなたが
Fだったなら
嫌がるまで
両手でもみもみ

もしも
あなたが
Gだったなら
俺は
もう

もしも
あなたが
Hだったなら
俺の
気分も

もしも
あなたが
Iだったなら
迷わず
愛すぜ!

嗚呼

俺を惑わす
3年J組
ふとしくんの
oppai

2011/05/06 (Fri)

[323] 変化をつける
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地球の裏側にいる
わたしの隣にいた
きみがいてもいなくても
昨日とあまり
変わらない今日だった

誰かにとっての
きみにとっての
わたしもたぶん
そうなんだろう

誰かにとっては
めまぐるしくかわる毎日も
誰かにとっては
かわりばえのしない今日で
明日もたぶん
そうなんだろう

それって
どうなんだろう

それって
ちょっと
寂しいような

だから
新しい朝には
きみのことを
考えてみよう

地球の裏側にいる
わたしの隣にいた
きみのことを

ほんの少しだけでも

2011/05/04 (Wed)
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