詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
はるのようきに
あてられて
のうてん あか
くるいざく
飾ったところで
センスも希望も
無いんじゃね
ダメなんじゃない
ねぇ?
すくわれない人に
かける言葉
探してみるけれど
終始無言で
ほかには誰も
心配されない人の
ことばかり考える
あなたは
いつも苦しみ悩み
抱えたそれらを
おろす場所
見つからなくて
死にたいんだよね
離れていっても
その道中で
終末で
歳月を
重ねていく際にも
あなたは
俺なんかのために
泣いたりするんだ
この手で
抱きしめても
キスをしても
セックスをしても
辿り着けない幸せ
報われない未来
脳裡に焼きついて
離れない
一定時間
満たされたってね
救われないのは決定事項
さだめを覆す
力もなく
それでも
大好きな人たちの
ことばかり想って
我が身 削るきみを
やすらかなねむりに
いざなって
ぼくはあとをおわずに
そのつみを
せっせとつぐなっていく
それがいちばん
ましなせんたく
かもね
寝息を立ててる
きみの耳には
もう届かない
謝るのは
こっちの方だったのに
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終わってしまった熱の街
川のせせらぎは
嘘のように
喉の渇きを潤さず
両手ですくったそれは
冷たいだけの
砂だった
変わらず月は綺麗で
凍えた体から
今にも飛び出しそうな
脳
ドロドロと
街を覆い
丸ごと
のみ込んでしまえば
何も考えなくて
済むのかもしれない
が
新たな始まりを告げる陽
やはり暑い
汗が本体だったなら
俺はもう
ここにはいない
ここにいるのは
人の形をした砂で
現実は違う
あれほど
強かったことには
理由がなかったけれど
これほど
弱くなってしまったのは
アイツが原因だ
あれもこれも
すべてに絡んでくるから
だから
人前では泣けないんだ
赤く燃え
風に舞い
脈動する砂の海
クジラもイルカもいない
溺れる人間が一匹
釣り上げられるのを
待たずに
そんな幻想は地の底だ
希望を抱いて
もがくあがく
このままでは
終わらせないぞ と
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悪いことをせずに
生きていくのは
難しくないが
悪いことに
手を染めるのは
簡単だ
悪いひとと会わずに
生きていくのは
難しいが
悪いことに手を染めて
悪いひとになるのは
簡単なことだ
悪いひとは
悪賢く
ひとの弱みを
握っているから強い
弱みを握られたひとにも
少なからず
悪い部分があったなら
余計に
あいての罪を罰するのは
難しく
精神が不安定になり
疲れはて
諦めるのは簡単だ
悪いひとは強い
悪いひとは悪運も強い
悪いひとを負かすのは
難しいが
悪いひとに負けるのは
悔しい
非常に悔しい
思いをしながら
守るべきひとがいる
そのひとが
悪事がバレて
失うものが何もない
悪いひとに
自分以外のひとが
グチャグチャにされず
自分以外の何も
犠牲にせずに
打ち勝つには
どうすればいい
ねえ
どうすれば
諦めるしかないのかな
悪いひとを
殺してしまうのは
難しいこと
じゃない
のかもしれないが
自殺をするほうが
簡単だろう
死にたい
死にたい
何もかも捨てて
死んで
楽になりたい
でも
守るべきひとがいるから
仲間がいるから
死ねない
どんなに苦しくても
勝ち目がなくても
途中で投げ出せない
諦めたくない
戦い続けなければ
悔しい
殺したい
諦めたくない
負けたくない
守りたい
殺したい
守りたい
死にたい
諦めたくない
死にたい
守りたい
守らなきゃ
守らなきゃ
守らなきゃ
信じていたひとに
裏切られ
人間不信になり
もう
誰も信じたくない
そんな時期もあった
それでも
疑ってばかりもいられず
疑ってばかりいる中で
信じられるひとはいて
確かにいて
だから
守りたい
守らなきゃ
守るんだと
俺は今も戦い続け
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コノくすりヲのムト
イイしガかケルヨ
ソウいワレタッテ
きみハかカナイ
ダッテ
だめだめナンダモン
いキタクナイノト
しニタイノハ
チョットちがイマス
かキタクナイノト
かケナイノガ
ちがウクライニ
ひつようナイネ
くすりモてれびモ
うつモぱそこんモ
けーたいおッテ
そんヲシロ
ドウセしンダッテ
じごくハつづクヨ
くすりヲのンダッテ
てんごくニハいケマセン
ダッタラ
べつニ
イイジャンネ
とメナクタッテ
イイジャンネ
ウン
イイヨイイヨ
ヤッチャエ
ヤッチャエ
ホラホラ
そうぞうスルナ
サッサトきエロ
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はなびらの数で
決めるのは心
貴方へのおもいを
たしかめたくて千切る
約束されない
あかるい未来
貴方と過ごしたくて
ひとひらの残酷
つみ重ね
地面を彩る
あざやかな断片
おもいを込めて
ふみ躪り
貴方のもとへ
くちびる揺らして
我が儘に
心のうちを開けば
もう振りかえらない
ちり散りになり
見るかげもなくなった
はなびら
骸
かぜに吹かれて
結末をしる由もなく
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片足のハト
何歩跳ねれば
思い出を失う
海岸線
新幹線
喜怒哀楽をのせて
北上し
水平線
居眠り
くじら雲
背中にのれば
夕焼け小焼け
夜の深みへ沈んでく
煩イ鼾
楽をすれば
息が苦しい
何も得られず
失うばかり
装う他人と
足踏み揃えて
回れ右
北から南へ
来た道を引き返し
連絡線
会わないままで
サヨウナラ
運命線
赤い糸
ゆるゆるゆるませ
お帰りなさいませ
紙コップ
紙コップ
電話線
きりたくても
のぞけずにいる
片足のハト
何歩跳ねれば
届くのか
先へ
選択の余地はないぞ
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部屋が明るいのはなぜ?
あの日
詳しいことも知らずに
ママが口にした
「安全じゃない」
それは本当だったね
197303
隠した真実がバレて
嘘をついたらまたバレた
19781102
濃縮ウランやプルトニウムのような核分裂物質の内部で核分裂連鎖反応が不始末の状況下で偶発的に起こった事情をさすって
説明されても
よくわからない
けれど
公表されたのが
発生から
29年経ってからって
その意味は
わかりたくないけど
よくわかる
20110311
ママが言ったよ
「ほら、やっぱり」
野菜は
洗えば大丈夫?
ほうしゃのーでひばく
身体も
洗えば大丈夫?
実際どうなの?
何年先まで
ホショウしてくれるの?
専門用語は使わずに
わかるように
説明してくれよ
テンサイじゃない?
なら
バカなの?
何も知らずに批判してた
ママよりも?
略さずに言えよ
原子力発電所
使わなければ
この国は
明るくならないのですか
そのこたえは真実ですか
暗い顔してるのはなぜ?
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田園を歩いていけば
きみに会えるかな
歩く
歩く
歩く
歩く
会えないな
歩く
歩く
走る
歩く
歩く
歩く
走る
走る
歩く
会えないな
電線を辿っていけば
きみに会えるかな
歩く
歩く
歩く
歩く
会えないな
歩く
歩く
走る
歩く
歩く
歩く
走る
走る
歩く
会えないな
繋がりのない景色
またいで
きみに会いにいく
いつかきっと
そう遠くない未来に
きみと会うため
歩く
走る
歩く
歩く
大好きな
きみに
会いにいく
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地下室にケータイし
下水道にケータイし
海底にケータイし
密林にケータイし
砂漠にケータイし
洞窟にケータイし
地底にケータイし
火山にケータイし
大空にケータイし
星空にケータイし
大気圏にケータイし
月にケータイし
火星にケータイし
太陽にケータイし
銀河にケータイし
未確認にケータイし
四次元にケータイし
無人島にケータイし
あなたからの
連絡を待つ
他に大切なもの
思い浮かばなかったから
あなた
圏外
わたし
携帯電話
無意味にケータイし
連絡を待つ
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花は枯れるし
魚は腐る
しかし
種から
卵から
開ける前に
青空に
青海に
触れる前に
どこかに還るものだって
いる
顔を出すことに
成功したものだって
まだ
すくすくと
成長するとは限らない
ひとりじゃないからこそ
だれかのみらいのため
あいつがいきるために
かてになることだって
ある
花を咲かせました
立派に育ちました
けれども
種を残せるか
卵を産めるかといったら
それはまた
別の話で
あのこのために
いまをいきるために
おまえをかてにする
よく
ある
ことで
きみがいて
ぼくがいて
ひとりじゃないからこそ
つながっていく
花は枯れるし
魚は腐る
けれども
種から
卵から
飛び出して
すくすくと成長し
花を咲かせ
立派に成長したあなた
途中で終わったあなた
べつに
いいとか
わるいとか
ない
そして連鎖
ただそこにあるぼくら
いまをいきているから
だからこそ
なのか
だけれども
なのか
ぼくらはいつか
しぬ