ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > 新着順表示

高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[302] 地上より
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

月を見て
振る尻尾
喜びをあらわすのは
いつも影
怯えなくてもいいんだよ

月を見て
振る尻尾
それを見て
勇気づけられる人もいる

遠くで見ている月
片時も離れない影
怖くないよ
吠えなくてもいいよ
怯えなくてもいいんだよ

尻尾を振りなよ
それだけで
勇気づけられる人がいる
共に喜びをわかち合える

難しいことじゃないんだ

月を見て
尻尾をさ
振ってみようよ

2011/03/14 (Mon)

[301] 真昼の月
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

真昼に浮かぶ満月は
青空宇宙に
ひっそりと佇んでいる

あの子を亡き者にした
犯人も
外部に答を求めた
受験生も
そりゃあ
悪いけどさ
他にもいるよね
うっすらと白く
ぼんやりと浮かんでる
真昼の満月のように
ほとんどの人は
見つけようともしないけど

なんで
一人で行かせたんだ
とか
どうしてもっと
注意してなかったんだ
とかさ
今さらだけど
やれることはあったよね
他にも人はいたよね
対策を練るのは
いつも
誰かが何かが
犠牲になったあと
しかも
忘れてしまうんだ
それも
近いうちに

言うだけ言って
ぼくは
何もしないけど

陽は沈み
皆が寝静まった頃
などもう二度と来ないが
夜空には
昼間
目立たなかった満月が
煌々と輝いている
背後には星の群れが
蠢いている

あなたの立つ場所から
どれだけの星が
見えるかはわからない
けれど
見えなくても星は星

先読みできない
九割以上
白紙の脚本
暗黒に支配された宇宙
ぼくらには見えない
不確かな存在を前にして
見上げれば
そこにはほら

白昼に浮かぶ月は夢の中

雲に隠れていて
今日は見えなかった

2011/03/09 (Wed)

[300] サシエ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

バイオリンなのか
チェロなのか
それすらわからない
ぼくの耳には
届かない

国語の教科書
オーケストラ
左端にうつる
彼女の演奏は

1ページ戻れば
彼女の
幼少の頃のお話で
知らない名前の
海外の作家が
書いた小説
それがとても面白く

学校帰り
本屋に立ち寄り
買おうかななんて
思っていたけれど

終わりのチャイム
鳴る前に
夢から覚めた

作品のタイトルも内容も
もう思い出せそうに
ないけれど

どこか疲れた
少し寂しそうな
チェロか
バイオリン弾きの
彼女の横顔だけが
今も
頭の裏にやきついて
離れない

2011/03/07 (Mon)

[299] すくいの手
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

指のながさ
手のおおきさ
両手ですくえる
ひとの数
みんなちがう

こぼれ落ちるひと
すくわれなかったひと
すくわれても
食べられて
その一生をおえるひと

ぼくらは
あまくて
とても美味しい

だから
たべられる
吸い込まれるように
しんでいく
隙間から落ちて
しんでいく
置き去りにされて
くちていく

ぼくらは柔らかくて
もろい

集合しても
すぐに
くずされ
離ればなれ

誰ひとり
すくわれなければ
ぼくらはみんな
幸せになれるのにな
幸せになれるのかな
それでも
なれないのかな幸せに

それならせめて
すくわれたいよ

両手で上手に
すくってよ


などと記しており
本当に
すくいがなかったのか
調べることもなく
しんこうしているひと
むかんしんなひと
むていこうなひと
すべてのひとに

さちあれ

2011/03/02 (Wed)

[298] わるい迷惑
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

隣室から
枕元へと響く声
とても不安定
気になって目が冴えて
眠れないのは
お前のせいか

けれども
ドアを叩く勇気はなくて
蹴破る力も
あるわけがない
インターホン
押す人差し指とこの心
折れる前に諦めた

黙って頭まで
布団をかぶって
数えるよ
黒い山羊の数

偶像でもいい
有象でも無象でもいい
疑うことも思い出さず
片時も忘れず
信じることができるもの
ひとつでいいから
くださいな

見上げた月から見下せば
とてもちっぽけな存在
そうだと言うなら
権利も証明も
要りませんから
私が誰でもいいから
何でもいいから
あかりを下さい
離れた場所から
照らして下さい

黒い山羊に
囲まれて
まわる影
長く伸び
ゆらり
ゆらゆらゆれ動く
中心に光
私の姿は見えない

熱にうかされず
冷たく静かな夜

今もこの胸は
猜疑心でいっぱいだ

音も無く忍び寄る声

お前のせいで眠れない

2011/02/28 (Mon)

[297] 読み方は自由で書き手の気持ちは
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

ししとう
にんじん
たべたいな
いるか
なきむし
ららららら
しっとりうたえず
ねるこをおこす
ばいばい
いつまでも
いつまでも
のんきに
にっこりてをふれば
ねこもわらってら


横打ち縦読み
斜め上をいく
あなたは
右見て左見て
下を向いて
靴を脱いで
真っ逆さま

ねっとってこわいね
ことばってこわいね
でも
にんげんが
いちばんこわいよね

横書きだから
縦に読んでも
意味などないよ
天文学的数字という
作られた数字でしか
起きない奇跡
あるいは不幸で
しねばいいのに
なんて
あなたが
読んじゃったとしても
私に責任
ないですよね

どの指がいう
手錠をじゃらじゃら
オリの中から発信だ

だましだまし
からだをうごかし
ららららら
しみるうたごえ
なかないでと
なきながら
いってうたって
でもねこはもういない

縦にも読めるが
深読みしないで
意味なんかないって
あっても
それは
俺のじゃなくて
レノンもびっくり
あなたのイマジン

作者の気持ちも
意図も心情も
言いたいことにも
別に全然
応えなくてもいいんだよ

踏みにじって
ねじ曲げても
あーそれ違うからって
先生に指摘されても
問題ないよ
間違えてないよ
そもそも
問題なんてないし
五十文字以内で
答えなくてもいいんだよ

読み方は自由で
書き手の気持ちは関係な
くはない
けど
それ以上に
読み手の気持ちが大切だ
とは断言はできない

つまり
何が言いたいのかって
いうと
今の僕の気持ちは
察して無視して
あなたの感想を
一言コメントして下さい

お願いします
お願いします

きびきびと
よくようつけて
きょうもうたう
いちばんめざして
つたえたいあなたに
ぴったりのうた
よぞらにむかって
うたうからこっち
をむいて
! にゃ〜んてね

2011/02/25 (Fri)

[296] しにんのへや
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

喉から出た手
掴んで
お前を引っ張り出して
その目に映る
中心人物
観れたらさ
鏡ですら見逃した
醜悪に
気付き傷付き
築きキツツキ
死ねるかな

そんな度胸は
ないのでしょう
やらなくたって
わかるでしょう
お前でなくても
この眼で暴ける
羞恥の事実
一刀show!

夢があるだの
未来に想いを馳せては
これまでの人生で
たったの一度も
努力をしたことがない
本気を出したことも
死ぬ気で
死に物狂ったことも
ない

いつも別の何かに
置き換えて何かを
遠回しに
ごちゃごちゃと
めちゃくちゃに
表現するけれど
結果
意味不明になるけれど

何よりも
わけがわからないのは
他の何かに
喩えられない何か
とても身近な
というか
そのものズバリの

それは
唯一といってもいい
言葉にできない
それは

掴まれる前に
喉から手を引っ込める
ことはおろか
喉から手も足も出せない
おくびにも出せない
欠片も勇気のない
それが

この目には映らない
すみっこの






kikaku2011al

2011/02/22 (Tue)

[295] 女心と曇り空
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

積もらずに
止んでしまった
つまらない
想いばかりが
積もってやあね


AIKU110213

2011/02/13 (Sun)

[294] 詩人部屋残酷物語こと>>1
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

201X年
詩人の部屋は
「書く!」の
炎に包まれた

詩人であり
予言者でもあった
タンカヤ・L・アイクの
大日記の記述通り
「ぺろぺろ あぁん」
モヒカン頭の漢たちが
汗だくになりながら
魔力!気力!超力!ガッツ
熱血ど根性これ最強!
とか言い出したのである

しかし
管理人にマークされ
槍玉に挙げられたのは


L「私があいくたんです」

管理人「!?」

L「性戯は必ず勝つ!」

管理人「駄目だコイツ
    早くなんとか
    しないと……」


管理人が一晩で
削除!削除!削除!
してくれたおかげで
片恋派の住人達も
気軽に作品を
書けるように
なりましたとさ

住人「面白っ
   ……くない」

汗・熱血・エロス
この世のすべてを
手に入れた漢
タンカヤ・L・アイク
彼の寝る間際に
放ったオナラは
人々を詩人の部屋に
駆り立てたのか
定かではないが

そんなことより……

2011/02/11 (Fri)

[293] 自切
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

切り売りされた感性を
買ってみた
共に
感じてみたかったから

見事にハマッて
抜け出せなくて
近付きたくて
近付いていく
縮める距離
深めて乖離

あなた
あたま
回転させて
わたし
あたま
削いでいく

そうそうその調子

焼かれる前に
生でイッちゃえ

誕生か喪失か
切除と再生
繰り返していくうちに
慣れたら死んで

あなたかわたしか
紛らわしいな
この感性

浮かばぬ言の葉
脱け出したくて
追いかけても
遠退いていく
離れる距離
浅くて剥離

あなた
あたま
わたし
はくし

じきに忘れる
だから気にするな
この完成も
したことすらも

以前
どこかで見たような

それでもなお

衰え
劣って
おとなしく
自ら切って売るんだろ

感性

2011/02/06 (Sun)
556件中 (271-280) [ << 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >> ... 56
- 詩人の部屋 -