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高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[292] なまあたま
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無色透明のゴミ袋
そんな風に
ぼくらの頭も
可視化されたらな

余計な詮索
しなくて済むのに

未練がましく関係を
続けることもないしさ

頭の隅に追いやって
中々
捨てられないでいたもの
まとめてポイっと
しちゃえるのに

分別つけられない
収集してもらえない
この首刎ねて
これ以上
悔いのない関係を
新たに始めたい
なんて
とんだ甘えん坊さんね

だから
壊してしまうんでしょう
鏡を貸してあげましょう

無色透明になった
頭を見たら
頭を抱えて
アナタ
壊れてしまうでしょうね

今夜は特に冷えるから
出さないように
気をつけて

2011/02/03 (Thu)

[291] 持ち運ばれる私の死体
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せせらぎが聞こえない

虹もセピアもモノクロも

どんな色をしているのか

さっぱりで

秋の心と哀しい汽笛

漂う匂いに透かされて

いったいどんな姿勢で

揺られているのか

それさえも


片側だけでは

大きくはならない

振り子の心

ごめんね

伝わっているのかも

確かめられなくて


明かり先

靡かぬアカシア

影にして

震えてなければ

いいけれど

2011/01/31 (Mon)

[290] いまわきわわ
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朝に起きました

学校に行きました

勉強をしました

ご飯を食べました

勉強をしました

家に帰りました

夜に寝ました

今を生きていました

十代でした


朝に起きました

会社に行きました

仕事をしました

ご飯を食べました

仕事をしました

家に帰りました

夜に寝ました

今を生きました

二十代です


時間が流れています

今を生きています

それだけです

どれだけですか

これっぽっちも

ありゃしまへんわ

2011/01/29 (Sat)

[289] 悪い夢
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あなたが何を
書いて叫ぼうが
ぼくには
関係ないですから

だから
ぼくが何を書き
それが紙を汚すだけの
糞であろうと
あなたには
届かないのでしょう

きみはまた
そんなことを書いて
涙を流して血を流す

構ってほしいんでしょうか
叱ってほしいんでしょうか
傍観するしかしませんが

関わりたくはないが
無言で見ていたい
暗い言葉の打ち跡を

それは詩ではありません
それでも見せたいのですか
不特定多数のわたしに
きみは見せたいのですか

自意識過剰な自慰ですか
流れている血が
怪我でもリスカでも
生理でも正義でも
別に特に何も

書いたらいいと思ってる
吐いたらいいと思ってる
糞でも血でもゲロでも
愚痴でも悪口でも
日々だとか夢だとか
愛だの恋だの病気だの

それを詩だとか思ってる

否定はしたいが
肯定はしない

胸クソ悪くて気持ち悪い?
でしょうねえ

2011/01/28 (Fri)

[288] ひとり歩く
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冷たい冬の公園で

頭の小さな鳩のオスが

同じ鳩の死体を眺めてる

その様子を切り取って

まるで外国の美術館に

飾られてある絵画みたいに

僕はそれを見ている

大げさだけどね

歩きながら移動しながら

はるか遠く角を曲がって

見えなくなって

しまったあとも

帰り道

鳩も公園も闇に落ちた時も

後日

何気なくその場所を

通ったりした時もさ

僕はその光景を

鮮明なままで見ていたい

うっすらと

こぼれる記憶

歩く両足

散らしながら

第三者の立場から

いつだってそうだった

あの日の昼休み

二次会の途中と

別れたあとも

いつだって

遠くから

はるか彼方から

見ていたんだ

冷たい冬の公園の景色

鳩のオスと鳩の死体

ひとり歩きがうまくなる

僕は見ていた

僕が見ていた

冷たい冬の

2011/01/27 (Thu)

[287] オトされるのは簡単だ
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見た目は特に
かわいくないんです
だって別に興味だって
さらさらなかったし
どちらかといえばぼくは
黒い方が好きだし

でもね
音痴なぼくが
なんかうたを歌いながら
歩いているときみは
後ろからそっと
ついてきてぼくが
振り向くときみは
大きな
あくびをするように
ないたから
たぶん
好きになりました

それからというもの
行き帰り
思い出せばきみのこと
探す日々が続き

これといった苦労も
することなくきみを
見つけた
けれども
きみはその時にはもう
ぼくなど眼中になく
他の誰かをじいっと
食い入るように
見ていました

なんだよもう
おれのことなんかもう
っていうか最初から別に
どうでもよかったのかよ
なんて思ったり
したけどきみに罪はなく
たぶんなく

思わせ振りな態度
とったきみには罪はなく
勝手に好きになった
ぼくが悪い
たぶん
そうなのかなあ
わかんないなあ
なんだかなあ
バカだよなあ
そう思いながら今日も
またきみを探すのでした

あー
ねこの話ね

2011/01/18 (Tue)

[286] ハーモニー
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帰り道
「にゃあ」と鳴いて
ぼくの後ろを
ついてきたって
話をしたら
きみは怖がりながら
正体不明のオヤジが
物陰から現れるところを
想像し

それを聞いて
そのオヤジは小柄で
背中を常に丸めていて
結構
俊敏な動きをしそうだな
と ぼくは思ったが
口には出さずに
彼女の答を
否定するだけに止めた

つまり
正確には伝わらなかった

犬と書けば
「ねこ」とルビを振り
鳥と書けば
「からす」と間違えるなら
問題はどこにあるのか

前頭葉を指差して
ぼくが「こころ」と
読んだって
きみは左胸に手を当てて
「あたま」ン中
ハートマークを
思い浮かべるなら

調和のとれない正解に
どれだけ
頭を悩ませようが
心を痛めようが
気持ちは理解できないが

それでも
どこか悲しいと
ひとり 無表情に
笑ったりはできる

不思議と
それほど
不思議でもないか

あるいは
他の誰かには
そこに在ることに
耐えられないような
存在かもしれないが

ぼくや
きみは
そこまで
「おもい」を巡らさない

2011/01/15 (Sat)

[285] いる
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かわいいから
めでたいとおもう

かわいいから
おかしたいとおもう

はれているから
がんばろうとおもう

はれているから
しにたいとおもう

こころからの
そして
こころにない
それは
それが
わたしであって
わたしではないもの

うしなえば
わたしは
わたしで
なくなって
うしなえば
わたしは
わたしを
てにいれたような

それを
かんがえて
あなたに
よませる
わたしは
わたしであって
あなたであって
だれかであって
だれでもない
なにものでもない
わたしは
ここにはもう
いない

2011/01/14 (Fri)

[284] ドーミ・エルカ
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とても
高価な壺を買いました

あなたは
怒っているけれど

ぼくは
泣いていました

だからか
壺は割れてしまって

二人の笑顔は
消えました

2011/01/04 (Tue)

[283] 作者不詳
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この作品は

誰が書いたのか

感想は

特にないけれど


作風に

特徴的な

部分はなく

誰にでも書けそうな

誰かの書いた作品は

良くも

悪くも

普通の作品で

目立つところもなく

惹かれることもなく

非常に

ありきたりな

よくあるタイプの

何でもない作品で

いつか

どこかで

見たことがあるような

けれど

いつ

どこで見たのか

さっぱり思い出せない

そんな作品


誰が書いたのか

わからない

けれど

確かに

記されている

ありきたりでも

普通でも

特別な何か

抱かなくても

記されているそれは

作品であり

それを書いた

誰かが

いつかの

どこかに存在している


その作品は

誰が書いたのか

感想は

特に

2010/12/30 (Thu)
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