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高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[151] 知らずに名前をつけた石
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棄てたんじゃないの

置いてあるの


板のない板の上

紙切れのない紙切れに

書かれた文字は象の形


たまたま目にして

インスピレーション

想いを巡らせ

ペンを走らせ

瞬く間に

自己流解釈


棄てたんじゃないの

置いてあるの


不特定多数の作者負傷

傷つきましたと

要求するのは

無断で勝手に

僕が磨いた路傍の石で


きらめかせたのは

お前じゃないのに

ときめかせたのは

誰かって?


還してくれよと

主張するのは

無断で勝手に

僕が磨いた僕の意思だ


笑われた

2009/04/03 (Fri)

[150] あおいねこ
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おやすみなさい
起きるまで

生きてください
死ぬまでは

また会う日まで
さようなら

それでは皆さん
ご機嫌よう

お願いですから
叶えません

明後日見てたら
一昨日来訪

ここまで来れば
まだ行くか

きれいに終われ
醜いアヒル

咲かせて魅せて
おじいさん

ぼくのなまえは

2009/03/16 (Mon)

[149] 鎌鼬
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カワイイ風貌して獰猛な
お前とは
友達になれないな
 
誰とでも離れて歩く
僕なので
誰とも
友達になれないが
 
人参も人間も斬り刻み
風と共に去っていく
お前の後ろ髪に掴まって
ちょっとそこまで
飛んでいきたい
 
振り落とされる
その日まで
きっと
爽やかな気分は持続する

2009/02/26 (Thu)

[148] 手垢にまみれた穴ぐらより
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うまく言葉にできない

伝えたいけど
伝えられない

伝えたいけど
伝えちゃイケナイ

それに
お腹が空いたから

僕は
「ワー!」っと叫ぶよ


先生に
怒られても

見知らぬ人に
バカにされても

お母さんに
ぶたれても

僕は
「ワー!」っと叫ぶよ


抑えきれない
この気持ち

どうすればいいのか
考えたって
わからない

だから


夜でも

病院でも

交差点の真ん中でも

関係ない

僕は
「ワー!」っと叫ぶよ

「ワー!」っと叫ぶよ

「ワー!」っと叫ぶよ


気の済むまで

僕は
「ワー!」っと叫ぶよ




彼は

口を塞がれて

喉を潰されて

四肢を切り落とされ

まだ意識があるのか

まぶたを持ち上げ

瞳を見ると


語るというより

     と叫んで

涙を流した

2009/02/15 (Sun)

[147] 生獣
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睡眠時間二十時間
 
「なんで生きてるの?」
 
訊かれて
眠れなくなった
 
 
生きるってなんなの
狩りをすること?
 
生きるってなんなの
恋をすること?
 
 
夢の中で夢を見る
生きがいなんだ
何よりもの
 
 
生きているから
夢を見るんでしょ?
死後の世界とは
違うんでしょ?
 
 
睡眠時間二十時間
夢の中で夢を見る
 
 
生きるってなんなの
働くこと?
 
生きるってなんなの
愛を知ること?
 
生きるってなんなの
夢を見ること!
 
 
それじゃあね
おやすみなさい

2009/01/27 (Tue)

[146] ない
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机の中にはない

カバンの中にはない

ポケットの中にはない

頭の中にはない

鼻の穴にも

耳の穴にもない

お尻の穴にもない

あなたが期待する言葉

探したけれど

ここにはない


僕にはない

心がない

心にもない言葉

あなたの中に

そえるだけ

2009/01/22 (Thu)

[145] 呼吸、落とす
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息をするの
思い出してしまい

息を呑んでは
吐き出して

氷が溶けたら
魔法が解けたように

生きていること
息苦しさを伴って

思い出しては
吐き出して

くだらないことに
夢中になって

忘れるまでは
絶やさずに

忘れてからも
絶やすことなく

呼吸
呼吸
深呼吸

息をするの
忘れているの

普通だなんて
間違ってないの?

息を荒くして
僕はまた

嘆きながらも
忘れてく

生きていながら
再凍結

最下層まで
呼吸、落とす

2009/01/20 (Tue)

[144] 幸せのかたち
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夢にまで見たフレーズ

しばらく放置して

書き損ねた休日

忘れるって幸せ

だって悔しくなる


あの時

すぐに描いていれば

だけど

そうしなかった

理由は怠慢

だから幸せ

必ず死なない時間を

心から味わえるだなんて

エンドレスハッピー


夢にまで見たフレーズ

余すことなく

描ききったら

こんな気持ちは

手に入らなかった

こんなものかと

悔やむだけさ


それもまた

幸せ

なら

どの未知

僕の人生には

幸せが

待ち構えている


Wow!

それより

なんてこったい


そうこうしているうちに

休日が終わり

空は泣き止み

顔を出すのは

お前さん


夢を見たけど

思い出せない

浮かばれないフレーズ

これも幸せ?

2009/01/20 (Tue)

[143] 紙コップの残響。
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カチカチカチカチカチかtけータイは、きみから切なさや距離を拭い、新たな切なさや距離を植えつけていく。
 
活字に変わり、絵文字・顔文字に変わり、色彩豊かな背景をデコレーション。
 
てのひら、ポスト、手紙を受け取り、開く便箋。
 
丸みを帯びた猫のしっぽのような文字はおくびにも出さない、なんて少し寂しく遠く感じた。
 
面影をよこせ。
 
行間から手繰り寄せて、今すぐにでも抱きしめたいよ(´;ω;`)とか打ってみる。
 
思わず削除。
 
食べたら紙より無機質で、きみとの縁も切れてしまいそうな不安定な媒体。
 
あの頃とそう変わらない程に、大きく変わってしまったんだ。
 
繋がり、束縛、孤独に空虚に喪失感。
 
ひんやりとした最先端に、なんて返そうかと温もりを与えては消してを繰り返し……。
 
離ればなれ。
 
 
二人は過ぎてゆく。

2009/01/11 (Sun)

[142] 凡てパー
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何気ない一言が
ダイナマイト

楽しく
話をしていたのに
空気一変

小さな苦しみから
逃れようと必死で
相手の気持ちを
踏みにじる

すると
アラ不思議
考えもしなかった
大きな苦しみが
襲いくる

君には
期待していたのに
がっかりだ

手塩にかけて
築き上げてきたもの
すべて
凡てパーになる

その考えが
もうね
ダメだ

凡てパー
凡てパーになる

2009/01/04 (Sun)
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