詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
殴られ 蹴られ
犯される
バカにされ 罵倒され
殺される
その度
僕の目を見て嘲笑う人
その度
僕の目を見て微笑う人
涙に辛苦を浮かべ
顔を歪めて笑ってる
大切な人が
ひたすら責められる
という
地獄
それを見ているだけで
それ以上
何もできない
という
地獄
自分が責められる
どんな地獄より
苦しいですか?
嘘つき
この偽善者め
人より自分を
大切にしてきた癖に
自分以外の誰かが
どれだけ苦しんでいても
本当は何とも
思ってないんだろ?
だから
お前には何もしない
という
地獄
「私なら大丈夫だから」
もっと苦しめ
もっと味わえ
あなたの犯した罪は
それだけ重いんです
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刀が壊れてしまった
鞘が壊れてしまった
持ち主が壊れてしまった
戻りたい場所はなく
行きたい場所もなく
状況に乗せられて
望みは流されて
新しく始めもしない
元に戻る
それこそが
ささやかな
ハッピーエンドだと
信じていたのに
そう信じることが
楽だったし
なんだか
ひと回りして
楽しめそうだったから
それなのに
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大阪人にも
全然喋らん
ボケもせえへん奴も居る
いじる奴がいれば
いじられる奴もいて
それぞれに
ポジションがあって
人生を歩むうちに
わかってくる
自分の立ち位置
なんとなくやけどな
空気を読むのと
同じぐらい
自分のキャラを
わきまえない行動は
嫌われたり
引かれたりするもんで
運命というか
宿命というか
そんな
大層なもんちゃうけど
誰にどう見られるか
誰とどう接するか
考えないと
生きにくい世の中やから
関係ないって
突っぱねて
一匹狼になる
それは
空気に逆らって
息ができずに
苦しむような
自殺行為やけど
自分らしさが
あるんかも
周りの人から
言わせてみれば
アイツは
自己チューやとか
自分をわかってないとか
言われるかもしれん
けどな
空気に従って
生きてる俺なんかより
全然
でも
時には従うことだって
大切な気もするけど
なんかなあ
運命もホンマは
うっすら見えてるねん
オチがどうなるか
わかってたりするねん
けど
それを読まずに
逆らって生きるって
難しいと思うわ
ホンマに
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いや
ないことは
ないんだけど
なんちゅーか
まあ
ねえ?
わかるでしょ?
わからない?
あ
そう
わからないんなら
まあ
いっても
しかたがないかも
しれないけれど
でも
なんというか
その
あれだ
わかる?
え?
わかる?
わからないか
あ
そう
それなら
べつに
いいんだけど
いや
よくはないけど
なんつーか
ながれ?
ながれってあるでしょ?
え?
ない?
いやあるって!
え?
ない?
ない?
ないの?
あ
そう
そうきたか
そっちが
そうくるなら
こっちも
だまっちゃないよ
いや
まあ
だまるとか
だまらないとか
そういう
もんだいでも
ないんだけどね?
どちらかといえば
もんだいというより
こたえ?
そう
そうそうそう
え?
あ
ちょっとちがうな
おしいけど
ちょっと
え?
どこがちがうかって?
いや
どこがちがうかは
ちょっと
いえな
え?
なに?
ききたい?
ききたいの?
それならそうと
もっとはや
え?
ききたくない?
あ
そう
ふーん
そうくる?
そうくるとは
おもってなかったわ
いや
ほんとは
おもってたけど
あるいみ
いいいみで
うらぎられたというか
いや
ちがうって
そうじゃないって
わるくないって
だれもわるくないから
でしょ?
ちがう?
ちがうか
あ
そう
いや
だから
きずつけたくなかったから
さ?
うん
だれをって?
いや
あなたというより
わたしというか
わたしのなかの
あなたという
わたしにとっての
あなたというか
わたし?
うん
だから
え?
うん
うんうん
え?
ちょっと?
え?
はあ?
ちょっとなに?
え?
いや
それはちが
うこともないけど
うん
だから
なにが
いいたかったかっていうと
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井の中で出会った
王様ガエル
噂で聞くよりもずっと
偉そうな奴だった
けれども
自信を失くして
来た道を
戻り続けていた
僕よりも
下を向いて
歩いていたのに
井の中に落ちた
僕なんかよりもずっと
立派な奴だった
背中に乗れよと
空をにらむ
王様ガエルは
やっぱり
偉そうだったけど
海を知らずに
孤独を知った
王様ガエルは
僕なんかよりもずっと
ずっと立派な奴だった
けれども
空は飛べなくて
壁にぶつかって
二人とも傷だらけ
なぜだか僕は
笑った
アイツもなぜか
笑ってた
どれだけ
空を仰いでも
ここからじゃ
海は見えないけれど
振り返ると
大きな背中が
よく見えた
あの頃の思い出は
僕の左胸で
いまもピョンピョン
跳ねているから
まだやれる
もう少しいける
傷だらけになって
今日一日を乗りきって
帰り道を
偉そうに歩くんだ
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無色透明な
視界を求めて
まぶたを降ろしても
色彩は消えない
襲いくる
暗闇の波長
瞬く間に
際限なく拡がって
視界の隅々までを
覆った
色鮮やかな風景より
外へ
飛び出せない可能性に
思わず
目を瞑ろうとしたら
先刻、閉じていた
戦慄くまぶた
どうやら
俺は疲れている
生きる
それは
ひたすらに怖いだけの
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アイスクリーム片手に
打たれた文字の羅列は
ケーハク極まりなく
読んだ人々の心に
不快感と
つまらなさを与えて
頭から朽ちていく
コーラ片手に
POPでコーンな文体を
過激に赤裸々に綴る
彼は温室育ち
空腹知らず
穴の空いた
ビニールの屋根に
不満を漏らしながら
何もしないクセに
言うことだけは
一人前で
独断と偏見で
世の中を自傷する
(或いは自嘲)
頭のおかしいフリした
ヤツなんだ
関わっても得はしない
時間のムダだよ
読むなって
俺の馬鹿が
またやらかした
クソちらかして
片付けない
ついでに言うと
オチはないぜ
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子供の頃から
よく目に入る
ひだりななめまえ
喫茶店
なのに
一度も入ったことのない
ひだりななめまえ
喫茶店
別に今さら
入ろうとは思わない
けど
知っている場所にも
知らない空間があるのに
見慣れたとか
見飽きたとか
言ってしまうんだと
ぼくってやつは
子供の頃から
よく目に入る
ひだりななめまえ
喫茶店
最近
店の名前だと
思っていた看板が
実は違ってたって
知った
勝手なぼくと
名前も知らない
ひだりななめまえ
喫茶店
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その花の意味を
決める論争から
戦争がはじまった
命を流す人の前に
咲く花は
人間にとって
意味はなく
そして
意味もなく美しかった
ちょっと
意外だったのは
散り際に
その花が泣いたこと
静かに甘い
甘い密を流してた
あーだこーだ
論理的に追求する前に
その花はすぐに
枯れたけど
虫は笑い
人々は戦い
風に乗せて
新たな火種
落としてゆく
憎しみや悲しみ
糧にして
過ちを育むこと
絵空事のように
教科書は話すけど
アタシはのんきに
花言葉を口ずさみ
あまり意味のない
平和を闊歩する