詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
コノハナシ
ヒミツダヨ ?
必然が偶然を装って
前触れも予告もなく
ぼくに降り注ぐ
聖域なきシナリオは
躊躇なく進んでいき
要らない選択肢をふたつ
ぼくに寄越してきた
それは
秘密を話すか
それとも
話さないか
隠し通せるかは
わからないし
許されるかも
わからない
どちらにせよ
片方を裏切ることになる
けれど
選ばないわけにも
いかない
傾く天秤
関係を持った時点で
罪になると
わかっていたなら
訊くんじゃなかった
うふふふふふっ
わかっていたクセに
罪な人
偶然を必然が偽装して
前触れも忠告も聞かず
ぼくは「しっ」に急ぐ
それは言わない
ヤクソクだろ?
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難しく考えなくても
よかったのに
言われた彼氏は
クソ真面目に
考えなさすぎて
辞書で引いた
意味を写し
得意気に棒読ってた
→騙ってた
この時間帯の
ワタクシテキ有線は
一昨日とよく似た
悲しげな曲
つつつと流す
飽き、を通り越して
空気になってる
選んだ涙も
フィクションぽいから
人前では
エア元気出すよ
もう会えないのか
信じられないを
信じているから
もう会えないって
ろくに調べもせずに
確信している
その方がはやいから
受け止めたくなかったから
たまたま見かけた
諦めを手にとって
両手を塞いだ
脇腹ぶよぶよ
たるむ精神
明日も勝てないぞ
もう一度だけ会いたいな
九階から
ノーアウト満塁
さよなら人生
投げる身の価値は
彼女のスマイルに負けた
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紐解くヒモが
見つからない
覚えている引き出しを
すべて引き出した
なかった
ここにはもう
出掛けたくない
ここにいたい
ほどいたヒモを
結び直して
またほどく
残り時間を
無駄にする
散った花は
もう咲かない
次に咲くのは
外に出てから
メンドクサイと
ヒモを結ぶ
ほつれた森から
帰らぬ人に
朝起きて
自分だったら
ホッとしない
夢から褪せて
サナギになりたい
はばたく前に
食べられたい
羽がないとか
知りたくなかった
紐解くヒモが
見つからない
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あなたが望む
私にはなれない
わたしが望む
私にもなれない
誰にも
望まれなくても
わたしが私
望んだ私は
わたしじゃない
もちろん
たわしじゃない
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「私は朝が早くって」
「もうこんな時間」
「でも寝れないの」
「私は朝が早くって」
眠らない自慢
聞く前から
飽きていたのに
今日は早めに
眠ればよかった
睡眠不足を貪って
夜が更けってく
脳が湿気ってく
「私は朝が早くって」
私はもっと早くって
「もうこんな時間」
まだこんな時間
「でも寝れないの」
寝れないんじゃない
寝ないだけ
「私は朝が早くって」
別に起きても
仕事にいくだけ
寝ても覚めても
生きていくだけ
文字数分だけ
不幸になった
まぶたの裏に
羊を刻めば
あれあれ
カーテンに陽が灯る
今日こそ早めに
眠ればよかった
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余った分だけ
死んでいる
だいたい夜の一時から
寝るまでの二時間弱
よしよしいいこだ
もうおねむり
睡天使
頭の周りで囁くよ
気が散って
眠れやしない
毛深いと嘆く人
皮膚が見えているよ
もっと生やさないと
だから
守れやしないんだ
あちこちに
見栄をマーキング
ケモノのにおい
ちらつかせ
刃物の腕に胸を寄せ
今夜もエモノの
フリをする
頭でっかち
尻と魂胆が見え隠れ
死体になって
観察するんだ
腐っていく双眸で
夜を視る
把握しきれないけどね
脳がヤられて
覚えが悪い
よしよしいいこだ
もうおねむり
余った分だけ
生きている
だいたい夜の一時から
死ぬまでの二時間弱
俺は目を瞑想り
みんなを見ている
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消費しろ
もっと消費しろ
燃え尽きる前に
火を消すな
燃焼しろ
もっと燃焼しろ
溶けろ
もっと溶けろ
ダメになれ
もっとダメになれ
これ以上
もう使えませんと
命がへばるまで
もっと自分を
消費しろ
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優柔不断な
オイラにとって
割り切るのは
とても難しいことで
善偽善悪私利私欲含めて
『人を殺す』ボタンを
ポチっとは押せない
悩んだフリして
逃げ出して
逃げ場がなくなって
ジタバタしてから押す
いつか
実行するかもしれない
例えばの話ね
なるべく決断は少なく
曖昧に人生を濁す
洗濯も選択も面倒だ
後回しにして
しんどいしんどい
言っちゃって
ラクをするんだ
どっちにしろ
苦しいのにね
少しでも
余裕のある方へ
傾いてく
愛想をつかさず
愛してくれる
愛しきひとを
愛せなくなったら
もうこれ最低としか
言いようがない
同意を求めるまでもなく
まだ最低じゃないって
言えるだけの傲慢を
もっと他方面に
気配れないのかって
ため息ついても
お菓子は出ない
つまるところ
早く活きろ