詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
赤い糸で繋がった
隣で笑う彼女とは
違う人から告白された
それだけの話で
それ以上の展開もなく
きみは消えた
断る以外の方法は
他にも色々あったのに
隣で笑う彼女から
笑顔が
消えることはなかった
繋がっていたのは
赤い糸
細くて赤い
ただの糸
ただそれだけの
関係なのに
その後
何不自由なく
平穏に
暮らしています
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築五十六億年の
建物に住む僕ら
性懲りもなく
平穏を握り潰す
緊急事態発生
する前に
対処できなかったのか
今回も
罪と罰を置いて
お前雲隠れ
間接的な前触れまで
気にする余裕はないよ
って
隙をつかれ
また逃げられる
相手が
本当のことを
言っているのか
嘘をついているのか
完璧に見抜ける
私を下さい
誰に願う?
救いの手を
差し伸べる
聖人君子の本当の姿
見抜けるだけの
能力もないのに
どれだけ
自分が不幸になっても
自分を信じてくれる人を
不幸にしちゃダメ
うるさい黙れ
知るかそんなの
信じる誰かが悪いんだ
信じるお前が悪いんだ
信じる自分が悪いんだ
帰れ
人間関係
破壊して
人間関係
修復して
人間関係
破壊して
人間関係
修復できなくなって
人間関係
放置して
人間不信に陥って
築××年の僕は
今にも壊れそう
嘘さ
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はるか彼方から
幾星霜を経て
ぼく宛に届いた
プレゼント
差出人は運命
頼んでもいないのに
いつもあれこれ
送りつけてくる
困った奴だ
今度はなんだろう
そう思いながら
おそるおそる
出会ってみる
すると
其処にいたのは
きみだった
生まれた時から
感じていたこと
一人じゃ何か
足りない気がして
いつも“何か”を
探してた
息をする度
催す不安
助けてほしいと
願ったけれど
どこにも届かず
誰からも
返事はなかった
心にしまった
ぼくの気持ち
震える胸に
両手を乗せて
ひとり寂しく
苦しみと戦った
それから
幾年月を経て
現れたのは
きみだった
誰にも
届かなかったのに
優しく笑う
きみの手が
ぼくの心に
静かに触れる
“何か”は
何かじゃなくなって
温もりに変わる
求めていたのは
きみだった
贈り主は運命
でも
選んだのは
ぼく自身
幾星霜を経て
出会えた幸せ
大切にしよう
宛先は奇跡
「ありがとう」
感謝を込めて
きみに贈る
プレゼント
喜んでくれるといいな
照れながら書く
PS.
「大好きやで」
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疑わなければ
絶対と呼ばれるもの
見向きもしないで
何を見ている?
ハロー天国
自分を雲に上げて
神様目線で
希望を探す
望みは絶えない
只、
耐えられないだけ
ハローハロー
嗚呼を連呼する
最早病気の唄歌い
阿鼻叫喚
信じる信じないは
あなたの自由だって?
そんなこと言うな
強制してくれ
責任は
肩が凝るので
要りません
明日を待たせて
苦しんでいる
ぼくにわたしに
救いの手を
刺し述べるのは
いつも自分
コンニチワ
コンニチは
元気ですか?
相手が元気かどうか
本当はそんなことが
訊きたいんじゃなくて
訊きたいことが
本当にないんだ
だから
最後に
ぼくは元気だよ
(わたしは元気だよ)
って
鬱
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あとで使うから
と
残した余力
結局使わず
どこかへやった
頭の中を
整理していると
出てきたのは
カビの生えた余力
まさか
こんな風になるとは
予想通りにも程がある
今更なのに
人目を気にして
見つからないように
ポケットに
余力を隠した
捨てるに捨てられないし
他に食べるものもないし
自分に言い訳しながら
何をする気だ
とぼけるなよ
理解ってるくせに
誰も見ていない
今だ
カビの生えた余力
食べて生きている
不満をぽろぽろ
こぼしながら
生きている
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敵わない
どんな手を使っても
勝てない
そのヒトの真似をしても
そのヒトにはなれないし
そのヒト以上にも
もちろんなれない
敵わない
それでも構わない
とは言えない
綺麗なんだ
純粋なんだ
澄んでいるんだ
底まで見える
感情汚染
ドス汚い気持ちで
いくら競おうと
あなたには敵わない
いくら望もうと
わたしには叶わない
それでも構わない
とは言えない
絶対に
どうすればいいか
わたしは訊いた
どうすればいいか
あなたは言った
見えてない
あなたは何も
わたしの事を
見ていない
わたしはもっと醜いよ?
綺麗じゃない
純粋じゃない
澄んでなんかない
心はもっと見にくいよ?
ふんっ
そう言うあなたが
わたしは憎い
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しとしと笑って
湿気ってく
暗くなる季節
みんなに嫌われていく
わたしも
好きにはなれないけれど
とりあえず笑った
あなたは泣いてもいいよ
しとしと笑う
わたしの横で
泣いてもいいよ
春の背中が
見えなくなっても
わたしは消えない
あなたのそばに
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「変わらないね」って
よく言われる
昨日死んでいても
明日生きていても
もしかしたら
同じじゃないか
「変わったね」って
よく言われる
昨日の俺も
明日の俺も
もしかしたら
俺じゃないのか
だったら
いつ死ねばいいの?
って思う
一晩寝かせた
死体は美味しい
こんな俺でも
悲しんでくれる人
数える間に
寝付けるか
数え終わっても
夜は明けず
本気で死ぬのが
怖くなって
飛び起きる
無死になれ
無私になれ
どっか行ってよ
触るな
消えろ
マラソン
途中でリタイアして
笑ってる人
歩きながらも
完走して
泣いた人
それを見て
明日も頑張ろうと
思う人
それを観もせずに
マラソンなんて
つまらないと
吐いた人
ちょっと待って
行かないで
嘘じゃないけど
本気じゃないの
オブラートに
包み込むのが面倒で
苦いおもい
喉元過ぎても
後味悪くて
忘れるまでに
時間がかかる
選べるだけの
それを持つ人
選べずに
それを待つ人
どうも違うな
これといった
言葉も出ない
なら書くな
途中で嫌になっても
自力で終わらせる方が
やっぱり難しいや
ごめんなさい
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隣の人を
見殺しにして
地球の裏側で
困っている人を
助けたいと願う
救(報)われない力で
人生を振るう
他の生き物だったら
とっくに死んでいた
なのに
生きている
彼女よりも
彼よりも
私は私が
いつか死ぬこと
知っている
学べるだけの
幸せがあった
誰かを助ける
ワケでもないのに
自分の命を削ってる
それでもいいって
開き直る
諦める
ダメになる
誰も助けていないのに
救いを求めて
どうするんだと
訊いているのは
こっちの方だぞ?
心のない人間は
何を込めて
ありがとう
ごめんなさいを
撃つんだろう?
挨拶を交わしきれず
喰らった一撃で
偽善しさは崩れて
無表情になる
冷たくて酷い奴
知らない人にしか
見せない本性を
偶然見つけて
愛してくれないか?
ほらね
頭ン中
自分でいっぱい×2
地球の裏側で
困っている人はもう
どこにもいない
利己チューな私は
彼女よりも
彼よりも
長生きしているという
俗悪処世術
物心
「もう持ってる」って
嘘をついた
あの日から
空っぽの掌
隠して生きてきた
バレはしないかと
おっかなびっくり
歩む人生だから
どんな悩みも
軽率なものでしかなく
どこまでも
どこまでも
隣の人から離れていく
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おいしい水は
自分ですくえる
いけないことも
自由だよ
騙しても
こっそり盗っても
おいしい水を飲まない
それもひとつ
水を飲みたいんでしょ
我慢するの?
水
おいしくない水をすすって
それでも
おいしいと思った
水は必ず
あるわけじゃないから
いつ
どこで
すくえばいいのか
考える
おいで
こっちにおいで
出ておいで
怖がらなくてもいいよ
すぐにすむから