ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > 新着順表示

高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[484] あめのちうさぎ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

泣き腫らした目で笑って
きみは
この世を出て行った

前触れなく
どしゃ降る雨に撃たれて
今日は何人
死んだのだろう

心の傷は戦友なんだよ

出会いがしらに
胸を打ち
打ち明けられた
思いの丈に
軽く脳震盪
なんて力強さだ
きみの言の葉
右ストレート

とても敵わない
それでも何度も
挑みたくなるような
赤い目をした
きみが笑ったから
あの日
ぼくは
諦めることをやめた

エンドロール後も
続く人生は
くもりのちあめ

曇天からの銃撃戦
それは
甚大な被害をもたらし
惨憺たる結果に
けれども

雲間から覗く
陽光みたいな
輝く笑顔を
忘れられなくて

どんなに沈んでも
ぼくは立ち上がる

痛む傷
胸に抱いて戦おう
友と共に
これからも

あめのちうさぎ

いつの日か
雲間から差すきみと
泣き腫らした目で
笑いあえるまで

2013/10/09 (Wed)

[483] 次はないぞ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

今まで
ありがとう
そして
ごめんなさい

書けなかったのは
さようならの5文字

2013/06/27 (Thu)

[482] 薬にはならない
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

肉を食べない
人を殺さない
虫も殺せない
彼女は現在
妊娠8ヶ月とか

自分は処女だと公言する
彼女の身体を解体すると
その実
子宮は空っぽでした

胃袋からは
ハンバーグ
この女
嘘ばかり吐きやがって
ミンチにしながら
後悔する

我が子に
会いたくなかったから
ふたりの命
奪おうとしたのに
信じた俺が馬鹿だった

犯した罪もお前と一緒に
レバーをひねって
トイレで流せたら

知らない子どもが
俺を睨む
毎晩のように見る悪夢

最初は
赤ちゃんだったのに
どんどん
どんどん成長して
彼女はもうすぐ
25歳だとか

あれから
肉を食べなくなった
あれから
人は殺さずに
虫も殺せなくなった
俺はもうすぐで
時効が成立したのにな

夢の中で嘲笑っている
彼女の顔を見て気付く

そいつは
知らない子どもでも
産まれなかった
我が子でもない
俺が殺した
お前自身だったのか

また騙されたと檻の中
夢の中では膨らむお腹
現在
彼女は妊娠8ヶ月とか

やめてくれ

2013/06/19 (Wed)

[481] 独夜人
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

どこにいても
だれといても
夜になると独り

2013/06/17 (Mon)

[480] 応答待ちっく
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

たとえば今
地面が抜け落ちた場合
助かる保険は
ありませんか?

緊急避難先のナンバー
教えて頂けないですか
ぐしゃりと潰れる
その前に

あなたが
次に迷い込んだのは
出口のない非常階段

それだけ聞けば
オチもわかったろう

昇っても降りても
終わりなき非情階段
辿り着くまでに
尽き果てるよ命

緊急避難先のナンバー
今すぐ教えてくれないか
ぐるぐる回る
頭がイカれるその前に

手渡されたナンバーを
信じて助けを呼び掛ける

ハロー!
ハロー!
SOS!

ジャンプした先
羅列していたのは

This
Account
Has
Been
Suspended.

無機質
無慈悲なメッセージ

たとえば今
世界が消え去った場合
逃れる場所は
ないのですか?

ハロー!
ハロー!
SOS!

どこにも繋がらないや

2013/06/05 (Wed)

[479] リセットしますか?
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

リセットしました

結婚したら
人が変わったように
暴力を振るう夫
離婚する前に
結婚前に戻ろうか

リセットしました

将来夫になる彼に
恋愛相談したあの日
彼と出会った会社
面接を受ける前?
ううん
エントリーシートを
書く前に

リセットしました

親友だと思っていた
オンナと浮気をしたので
別れを告げたら
ストーカーになった彼
付き合う前から
いいや
出会う前から
やり直そうか

リセットしました

高校で
二股をかけられた挙げ句
「お前が悪い」と
私をフッたあの男
違う高校に行きたいな
もっと勉強しなくちゃな

リセットしました

ランクをひとつ
落とすキッカケになった
初めての彼
思い出ごと消えてしまえ
付き合えるなら
誰でもよかった
遅れをとるのが
怖かっただけ
ああ
それなら

リセットしました

思いを告げられなかった
初恋の人に告白を

リセットしました

告白したら
ごめんって返された
次はもっと
親密にならなくちゃ

リセットしました

初恋の彼と見事ゴールイン
だけど
結婚前から
浮気していたことが発覚
かつて
親友だと思っていた
あのオンナと

あのオンナと
出会ったのはいつだっけ
出会う前からやり直す?
出会い頭に殺り直そうか

リセットしました

やっぱり
人を殺しちゃいけないな
ロクな人生送れない
次はどこから
やり直そうか

お母さんの子宮から?
リセットしても
また私にうまれたい?
やり直しても
やり直しても
うまくいかない人生
だったら

リセットしました

私が誕生する前に
平成
昭和
大正
明治
江戸か
安土桃山か
戦国か
弥生縄文旧石器?
そもそも
人類が起こったのが
間違いの始まりかもね

リセットしました

地球が誕生する前に

リセットしました

137億年前の爆発が
宇宙の始まりで
このくだらないゲームの
オープニングだとしたら

リセットしましましまし

畜生
これ以上
リセット出来ないや

あーあ

最初に
リセットした私
リセットしたいなあ

2013/05/27 (Mon)

[478] くしゃみの悪寒
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

コップ一杯の
愚痴をこぼしたら

不愉快そうに顔を歪める
あなたもいれば

「大丈夫?」って
声を掛けてくれる
あなたもいて

けれど
誰も代わりに
拭き取ってくれはしない

涙も愚痴も鼻水も
ごちゃまぜになった私を
抱きしめてくれる人は
サイコパス

気が狂ったように
偏った愛を妄信する
彼に恐怖を覚えるも
ひとりは寂しいの
ひとりは寂しいの

あと何度唱えれば
あなたは
助けに来てくれる?

バケツ一杯の愚痴を
頭から被ってみせても
笑えないパフォーマンス

道行く人は一目見て
我関せずを貫き過ぎ去る

へっ
くしゅん

わたしは
わたしはとても
空虚だよ

2013/05/24 (Fri)

[477] 大人のおしゃぶり
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

若いチチでも
しゃぶりに行こか

アカン
金ない
しゃぶられへんわ

しょうがないから
シャブでも打とか

アカン
金ない
シャブ打たれへん

おかげで
わしはケンコ〜タイ
だから
お腹もよう空きまんねん

やのに
うちの冷ちゃんは
いつも空っぽ
冷たいヤツや

しょうがないから
酒でも飲もか

前に買ったの
あったやろ

なけなしの金
はたいて買った
カップ酒

アカン
一滴も残ってへんわ

おしゃぶりしても
味ないわ

しょうがないから
蛇口でもしゃぶろか

アカン
水道止められてたわ

もうこうなったら
笑うしかないわ

外より暗い
うちの家
笑ても笑ても
わしひとり

寂しくなって
しにたくなるわ

指でも
しゃぶって
辛抱するか





あれから
三年経ちまして

わしも
立派なイエナシや

汗水たらして
缶集め

小銭じゃらじゃら
小金持ち

夜は仲間と
一緒にワイワイ
カップ酒
片手に持って
お月見や

なんや
酔ったら
ムラムラしてきた

若いチチでも
しゃぶりに行こか

アカン
諭吉が見当たらへんわ

しょうがないから
安男のおっぱい
揉んで我慢しといたる

酒をちびちび
アテにはチクビ
安男のチクビを
おしゃぶりしたら

アカン
おぇえええええ
って
吐いてもた

それ見て
みんな笑いよる

つられて
わしも安男も笑た

カップ酒に浮かぶ
お月さんも
なんや
ゆらゆら笑てはるわ

今日も一日
ありがとさ〜ん

明日も
宜しく頼んますわ

2013/05/23 (Thu)

[476] だっぴっぴ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

鏡から見えない
もう一面のわたくしを
あなた方に見せたいな

試行錯誤してみた結果
こんなの違うと
斬り捨てられて
ごめんなさいと始末した

多面的でなくていい
あなたを望む
あなた以外の人々は
他のあなたに興味はないの
だから
新しい挑戦はこれっきり
他はばっさり処分して
進まないあなたを
提供していって下さいね

思いつきを
閃きと言い放ったり
長年
大切に温めていた自己を
世に出す前に
破棄してしまえ

ねえ
わかっているの?
これは
あなたのためなんだよ
ねえ

ねえっ

ねえってばっ

世間の声を無視して
脱皮するわたしは
出る杭のごとく叩かれる
それでも

(たたん)と
アウトプット

鏡に背を向けて
まだ見ぬ
私と顔を合わせ
あなたに向けて
また言うの

「はじめまして」

2013/05/08 (Wed)

[475] 小さく前へ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

前へ進めなくても
前を向いていられるなら
生まれた場所が
墓場になっても
ハッピーエンド
もしそうだったら

イキ詰まる現代社会で
俯くしかない人間たちの
心に切り刻まれる
素晴らしい人生ですよね

そうかと思えば
将来に対する唯
ぼんやりとした不安を
理由に自殺する人も
少なくはないんだって

旧い作家の戯れ言だ
冗談だって笑えたなら
ぼくだって現実を
直視できるかな

心にかかるもやもやを
払えなくて
うんざりしている様で
その実
ほっともしてるんだ

いつしか
地面に四つ足をつけ
這いつくばって
必死に
生きもがくフリまで始め

こんな
可哀想なあたしも
頑張って生きているんだ
だから
あなたも頑張って
前を向いて生きようよ

意気揚々と嘯く私は
未だに
日の目を見ないけど
上も前も
向けないけれど

終わりよければ
全てよしとするなら
今すぐにでも
人生を終わらせるから
俺をハッピーにしてくれよ

うんざりする過程を
スキップさせて
待ちわびたエンドロール
はやく流してくれないか

誰かが唾を吐いた路地
擦り傷だらけのこの四肢で
これ以上
後退りもしたくないから

一瞥もくれない運命は
前だけを向いて
前にだけ進めない
ぼくらを置き去りにする

それでもまだ縋るのか
死にたいと
助けを乞うのか
生きたいと
前を向けずに
それでもまだ望むのか

ぼんやりとした不安を胸に
己の墓に添える一輪の
ハッピーエンドを

醜い顔
今は見せる勇気も無いが
生き永らえて
じっと待つ
望むいつかを狙おうと

たとえ小さくとも
前へ

2013/04/19 (Fri)
556件中 (91-100) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 56
- 詩人の部屋 -