ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > ゆき女

高級スプーン似の部屋


[184] ゆき女
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

草木も眠る白銀世界
どこまでも続く寒空に
叶わぬ想い
   きみを見る

自由にできるのは
虚構だけで
わたしの手は白く
    心は赤く
 燃えて止まない

押すことも
引くこともできず
扉のない
閉ざされた世界で
仰ぎ見るのは

眠れ
 眠れと
   言い聞かせ
胸のうち
抱く我が子は
冷えきって

瞼を降ろし
隠れた双眸
こぼれるものは
唯一無二の
わたしの情念

2009/12/06 (Sun)

前頁] [高級スプーン似の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -