草木も眠る白銀世界どこまでも続く寒空に叶わぬ想い きみを見る自由にできるのは虚構だけでわたしの手は白く 心は赤く 燃えて止まない押すことも引くこともできず扉のない閉ざされた世界で仰ぎ見るのは眠れ 眠れと 言い聞かせ胸のうち抱く我が子は冷えきって瞼を降ろし隠れた双眸こぼれるものは唯一無二のわたしの情念
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