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高級スプーン似の部屋


[286] ハーモニー
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

帰り道
「にゃあ」と鳴いて
ぼくの後ろを
ついてきたって
話をしたら
きみは怖がりながら
正体不明のオヤジが
物陰から現れるところを
想像し

それを聞いて
そのオヤジは小柄で
背中を常に丸めていて
結構
俊敏な動きをしそうだな
と ぼくは思ったが
口には出さずに
彼女の答を
否定するだけに止めた

つまり
正確には伝わらなかった

犬と書けば
「ねこ」とルビを振り
鳥と書けば
「からす」と間違えるなら
問題はどこにあるのか

前頭葉を指差して
ぼくが「こころ」と
読んだって
きみは左胸に手を当てて
「あたま」ン中
ハートマークを
思い浮かべるなら

調和のとれない正解に
どれだけ
頭を悩ませようが
心を痛めようが
気持ちは理解できないが

それでも
どこか悲しいと
ひとり 無表情に
笑ったりはできる

不思議と
それほど
不思議でもないか

あるいは
他の誰かには
そこに在ることに
耐えられないような
存在かもしれないが

ぼくや
きみは
そこまで
「おもい」を巡らさない

2011/01/15 (Sat)

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