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高級スプーン似の部屋


[287] オトされるのは簡単だ
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

見た目は特に
かわいくないんです
だって別に興味だって
さらさらなかったし
どちらかといえばぼくは
黒い方が好きだし

でもね
音痴なぼくが
なんかうたを歌いながら
歩いているときみは
後ろからそっと
ついてきてぼくが
振り向くときみは
大きな
あくびをするように
ないたから
たぶん
好きになりました

それからというもの
行き帰り
思い出せばきみのこと
探す日々が続き

これといった苦労も
することなくきみを
見つけた
けれども
きみはその時にはもう
ぼくなど眼中になく
他の誰かをじいっと
食い入るように
見ていました

なんだよもう
おれのことなんかもう
っていうか最初から別に
どうでもよかったのかよ
なんて思ったり
したけどきみに罪はなく
たぶんなく

思わせ振りな態度
とったきみには罪はなく
勝手に好きになった
ぼくが悪い
たぶん
そうなのかなあ
わかんないなあ
なんだかなあ
バカだよなあ
そう思いながら今日も
またきみを探すのでした

あー
ねこの話ね

2011/01/18 (Tue)

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