詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
バイオリンなのか
チェロなのか
それすらわからない
ぼくの耳には
届かない
国語の教科書
オーケストラ
左端にうつる
彼女の演奏は
1ページ戻れば
彼女の
幼少の頃のお話で
知らない名前の
海外の作家が
書いた小説
それがとても面白く
学校帰り
本屋に立ち寄り
買おうかななんて
思っていたけれど
終わりのチャイム
鳴る前に
夢から覚めた
作品のタイトルも内容も
もう思い出せそうに
ないけれど
どこか疲れた
少し寂しそうな
チェロか
バイオリン弾きの
彼女の横顔だけが
今も
頭の裏にやきついて
離れない
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