詩人:高級スプーン似 | [投票][得票][編集] |
真昼に浮かぶ満月は
青空宇宙に
ひっそりと佇んでいる
あの子を亡き者にした
犯人も
外部に答を求めた
受験生も
そりゃあ
悪いけどさ
他にもいるよね
うっすらと白く
ぼんやりと浮かんでる
真昼の満月のように
ほとんどの人は
見つけようともしないけど
なんで
一人で行かせたんだ
とか
どうしてもっと
注意してなかったんだ
とかさ
今さらだけど
やれることはあったよね
他にも人はいたよね
対策を練るのは
いつも
誰かが何かが
犠牲になったあと
しかも
忘れてしまうんだ
それも
近いうちに
言うだけ言って
ぼくは
何もしないけど
陽は沈み
皆が寝静まった頃
などもう二度と来ないが
夜空には
昼間
目立たなかった満月が
煌々と輝いている
背後には星の群れが
蠢いている
あなたの立つ場所から
どれだけの星が
見えるかはわからない
けれど
見えなくても星は星
先読みできない
九割以上
白紙の脚本
暗黒に支配された宇宙
ぼくらには見えない
不確かな存在を前にして
見上げれば
そこにはほら
白昼に浮かぶ月は夢の中
雲に隠れていて
今日は見えなかった
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