ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > 人類滅亡からの翌日。

高級スプーン似の部屋


[361] 人類滅亡からの翌日。
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

くだらねえなと哭き捨てたのち、乾いた木の枝に火を着けた。

人類が猿の類似品だった頃から、何度も何度も世界は終わっていて。

そこに希望を見いだしたのはいつも自分、明かりを灯すのはいつも自分だった。

絶えず望みを絶やす空っぽ真空の頭に光を望むのなら心、心を拾って己の力で包み込めばいい。

温もりが伝われば、それは銀河の種となって新たな世界を生み出すんだ。

裏表のない孤独感。

それでも、あなたがいるのなら。

あなた自身の手で掴み取ればいい。

望むだけでは手に入らない、どんな光だって産み出せる。

誰にも見つからずに目の前に在り続けるであろう、不可思議な不可視がやがて、人知れず消失しても。

人類が滅亡しても、すぐにでもまた始まるんだ。


心を持て。

2011/10/28 (Fri)

前頁] [高級スプーン似の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -