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高級スプーン似の部屋


[366] 籠る幽体
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

出かける理由は
数あれど
この部屋に
止まる理由は
無きにしも
ゆらゆら迷う

亡きものは
あの夜を漂う

覗いていたのに
視線を感じた
シフトする恐怖に
たまらず
ふっ
        と
旅立ちたくなるも
呼ばれた気がして
うまく狂えず
我に戻る

背中のチャックは
空いたまま
宙ぶらりんの自分を俯瞰
始終浮遊の
保証がなければ
ままよと崩壊

いつ戻ってきても
いいように
頼まれてもいない
お留守番
隣の部屋は今も奇麗

他にやること
山ほどあれど
この部屋に止まる理由は
たったのひとつ
それは秘密

2011/11/05 (Sat)

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