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高級スプーン似の部屋


[417] ぬるいゾンビ(30)
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

日陰は
身を隠すのに最適で
とても涼しいが
身震いするほどに
寒くもなる
けれど
氷を放置すれば
いつかは
溶けてしまうもの

言い知れぬ
義務感と不安に煽られ
自ら日向に
出てきたのはいいが
時間を前に進める作業
いつまで従事すれば
得られるのだろう
達成感とか
充足感とかさあ

常温の世界
沸かしたお風呂も
忘れた頃には
冷めている

悟りさん
悟りさん
さっさと開いて下さい
お願いします

世知辛い世の中に
身を任せれば
常在化する苦痛
受け流さずに
受け容れていく
生ぬるい嘔吐物
飲み込んでしまえば
吐く必要も無いものね

直射日光
浴びて今日も病気です
期限を設定しないから
腐っても人間
醜い姿で歩むのです

現実に襲いかかって即死
七回殺されても
まだ起き上がってくる
最早
怖いを通り越して可哀想
そう思われたら
バッドエンド

アハハ
終わってますね

(      )
返す言葉を括弧に閉じて
蓋をする人は
セリフまで臭いから
近寄らないで三十歳
格好はつかずに末路まで
反省会はあの世でね

もうずっと笑ってないよ

はいはい
次の人生でまた
頑張って下さい

2012/06/29 (Fri)

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