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高級スプーン似の部屋


[422] 退屈そうな充電器
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

タンスが笑ってる
カーテンが喜んでいる
ドアノブが楽しそう

この部屋で
感情が無いのは
ぼくだけだ

時計が狂ってる
炊飯器が喚いている
クローゼットが泣きだした

渦巻く喜怒哀楽
部屋の隅々に散らかって
吐き出されるそれら
ふと視線を感じて
振り向くと
目が合った

鏡が無表情に
ぼくを見ている

この部屋で
感情が無いのは
ぼくだけだと思っていた

意地悪なパソコンに
呑気な枕
嘲るテレビに
窓は優しく微笑んで
退屈そうな充電器
心が揺れた

互いに影響し合って
色を変えていく部屋の中

鏡は笑った

2012/07/18 (Wed)

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