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高級スプーン似の部屋


[515] 自分たちのサッカー
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

最適化された都市から
外れた路地裏にあるトタン
長い間風雨に晒され
錆びついたソレを
べりべりと剥がせば
見えてくる
久しく更新されていない
家族の風景よ

寝たきりの老人
世話をしながら
力なく笑う
旧式のおばあさん
最新機種の息子は今日も
家には帰らず
クラウドの支柱となって
作動し続けている

彼は現代社会の礎
と言えば
聞こえはいいが
製造者が誰かも
わかっていない
ネットワーク内で
走り回るその姿
人としての機能は
次第に失われつつあって

ネコ型ロボットが
うまれる前に
人類は絶滅し
新たな生命体が
産声をあげる動画が
世界中に拡散された

葬られる歴史
路地裏の生活感は
色褪せて
アップデート完了後には
もう

因果もへったくれもない未来
いまを生きる現代人
永久機関により
回り続ける地球の上で
次は何をする?
次は何をする?

検知されたウイルスは人間です

時間ばかり気にして
最先端をフォローする
0と1のお前の頭
蹴り飛ばしてやるから
そこにおけよ




2014/07/28 (Mon)

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