ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > そんな奇跡

高級スプーン似の部屋


[526] そんな奇跡
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

きみとふたりで
喜びは二倍に
悲しみは半分に
だれかのうたであったけど
そんなの奇跡

ひとの痛みは簡単に
分け合ったりは出来なくて
ひとの幸せなんて
素直に喜んだり出来ないし
卑屈な自分を嫌いになって
涙を流して
ストレス解消
自分でどうにかするしかなくて

明日を報せるアラームを止めるため
差し出される手は己の手
隣で眠るきみは
起き出す頃にはもういない

泣いていたのは昨日のきみで
笑い合うのは次のおやすみ

奇跡がひとつも起きない奇跡
他愛のない望み少ない日常から
その先にある死が来るまで
すれ違っては生きていく

それでも時々
手をつなぎ
きみとふたりで
どこかへ行けたら



2015/02/25 (Wed)

前頁] [高級スプーン似の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -