詩人:高級スプーン似 | [投票][得票][編集] |
ネクタイがうまく結べなくて
そのまま首を吊った
もう無理だって
諦めたのが
たまたま今日だっただけで
引き金にはいつも
指が触れていた
制服のボタンを掛け違い
部屋から出られなくなったあの日から
現在に至るまで
この手はいつでも
僕を殺れた
「ドアの外が世界なら、
僕が立っている
この場所だって……!」
それだけが希望で
まだ大丈夫
みんなと繋がっていると
信じたかったけれど
疑ってばかりいて
随分前から
こめかみを撃ち抜く準備は出来ていた
鏡の前に立つ
昨日と同じように
ネクタイを結ぼうとするけれど
うまくいかない
そうだ
もう死のう
ついに
手を掛けることのなかったドアノブに
ネクタイを掛けて頭を垂れる
最後まで醜いまま
僕は引き金を引いた
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