詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
視線を移して
世界を映して
記憶に収まる一枚一枚
引き出して思い出す度
展開される光景
確かめられるのは私だけ
過ぎ去りし日々の一角
頭の中に閉じ込めておくのは
勿体ない気もするけれど
頭蓋骨を叩き割り
中から海馬を引き摺り出して
これ見よがしに
振り回したとしても
だれかの脳裏に刻まれる景色は
わたしのものとはきっとちがう
卵をうまく立てられたって
新しい発見しかうまれない
虚実入り混じる思い出は
どうやっても
有り体を再現できなくて
わたくし中心的
本日の一枚
誰の目にも止まらぬ速さで
ぱしゃり
瞼の奥に焼き付いた
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