詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
わたしが
好きなものと
おなじものを
好きなひとが
好きじゃなくて
嫌いですらある場合
好きなものと
途端に素直に
向き合えなくなって
見向きもしたくなくなる
それは
本当に好きだったのか
本当に好きなら
それでも
素直に「好き」だと
言えるんじゃないのか
好きな「もの」が
物じゃなくて
好きな「ひと」だったなら
じぶんが
好きなひとと
おなじひとを
好きなひとが
好きじゃなくても
嫌いじゃなくても
好きなひとからは目を背けたりはしない
素直に「好き」だって言える
そんなひとが
わたしは好きだ
そんなひとが
わたしは好きだと
好きなひとからは目を逸らして
てのひらの中
気付かれないよう呟いた
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