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高級スプーン似の部屋


[58] 12月26日
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

広がるペパーミント
昨日まで、を除去
心を無理やり整えて
爽やかな朝を迎えに行く

消しても消えないな

記憶の中
鮮烈に居座るクセに
隣に君はいない


薄光に照らされた
微睡(マドロ)む街を歩く
そこかしこに
余韻が残ってる
そして
思い知らされる

“特別な夜”はあった
って

夢じゃなかった
嘘じゃなかった
隣に君がいた


ヒトゴトのように
笑うしかない
できるなら君と
笑ってたい
褪(ア)せない君は
笑わない
温もり残る
記憶の中
うつ向いたまま
肩を震わせた


魔法は解けて
見慣れた
いつもの部屋に戻る

靴下に穴が開いていた
プレゼントはない
隣に君がいない


「ガラスの靴の味がする」

冷蔵庫に残ってた
ケーキを口にして
ようやく
流れ出したもの
時間にそれから


日付が変わっても
思い出には変わらない
甘くてしつこい
そしてしょっぱい
ケーキを頬張った

2007/12/26 (Wed)

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