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高級スプーン似の部屋


[72] デュラハンと幻肢痛
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

中途半端に
首つっ込んだ
それから十年
二十余年

なんか
苦しくなって
けれど
やめられなくて
仕方がないから
首切った

頭がないと
俺が俺じゃなくなる
そんな
愚痴や言い訳を
君にぶつけて
憂さ晴らし

君は身体を
好きだと言った
頭がなくても
好きだと言った

心臓は身体にあった
それでも僕は
頭が好きだ
頭がないと
生きていけない
そんな事はない
現に俺は生きている

苦しい
頭はないのに
苦しい
苦しい苦しい
僕は苦しい

人生を取り替えても
同じ頭は取り戻せない
首を切っても
抜け出せない


夢の締め忘れに
ご注意下さい


無い頭絞って
楽になりたい
無理

君は悲しそうに
怒ったように
俺を見る

テレビを消して
沈黙が続く

離れた頭が
頭から離れない

君は俺を見る
僕は頭を気にする

君は見る
俺は見る
僕は頭を

頭が好きだ

2008/02/29 (Fri)

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