詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
疑問符で終わる
本ばかり読んで
悩みを解決
した気になってる
鏡に映る右足
扉を開いて
くれないかな
真夜中のゴミ出し
流れる車の光の先に
白く淡く輝く
ウサギがいた
追いかけたらよかった
後戻りをしても
そこにはいない
空を見上げて
「帰ってしまった」と
嘆くんだ
逃げ場のない現実から
それでも逃げるには
運と勇気とタイミングが
必要みたい
いまさら気付いた
弱虫ライオン
自分より弱い者を
叩いて潰して
自分と共に
殺してしまった
銀河を走る
夜汽車の中で
目を覚まし
架空の世界をプレゼント
される予定だったのに
空想は実現せずに
朦朧に
着地点のない
宙空をさまよう
けれども
月には全然
届かない
あーあ
親愛なるマザー
今宵も窓を
叩いてくれませんね
いつになったら
叶うのか
出口は数あれど
望みからは
果てしなく程遠く
おぞましい唄に
意味はなく
カワイイ唄さえ
歌えない
小さな反響にも
怯えて暮らす
能のない人間ですから
はて?
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