浮浪霊の部屋
[7] それは彼女が死んでゆく詩オトだったのかも知れない
時々、世界のあらゆる色が削げ落ち、自分が何故生きているのかさえ分からなくなる瞬間がある。
(毛布に包まり小さくなって、彼女はぽつぽつと続けた)
恐怖に捕われ詩おうと、逃れようと試みて、私は知るのだ。
詩ツクることこそ無意味だと。何故なら産ツクることとは生きることであり、生とは虚無そのものだから。
(彼女が震えてさえ居ないのが、私には恐ろしかった)
2010/02/22 (Mon)
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詩人の部屋 -