時の端尾(はつお)を 握り締めいまだ名もなき形(なり)を孕み音なき音に耳を欹(そばだ)て真空妙有の現(うつ)に凪ぐ深遠に籠(こ)む白い背に腫れた日常 穿つがごとく 瓊枝(けいし)に掛けた鐸鈴(たくれい)がシャラン シャリリと音連れてシャラン シャリリと霊(ひ)を揺(いぶ)るい繋(つが)る言の葉 依り代(しろ)に褻(け)にも晴れにも奔放不羈な魂(たま)を刻まん
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